実験島 (原作)MITA、(作画)岩葉
文字数 1,404文字
―――そのクスリを、飲んではいけなかった。
製薬会社の新人研修、孤島に集められたボクら。
配られた謎のクスリが、「死の実験」の始まりだった――
閉ざされた病棟、変貌していく同期たち…絶望の島を、誰にもバレずに抜け出せ!!
『ヒトクイ』『ドクザクラ』原作のMITA × 新鋭・岩葉が描く、
極限脱出サスペンス開幕――!!
(裏サンデーより引用)
『ヒト喰イ』、『ヒトクイ』、『サツリクルート』……どうしても、ラストがモヤっとなってしまう。それでも読んでしまうのは、序盤があまりに面白いからでもあるのだけど。
…………。面白かった。
いや、面白かったよ? 魅力的な素材を活かしきっていない気もしなくもないけど、そんな漫画は世の中にごまんとあるし。
でも、活かしきっていないその他大勢の作品が許せてもこっちが許せないのは、やはりどうしても、MITA作品への期待値が最初から高いせいなんだろうね。
新入社員を実験台にする?
結局そういうところなんだよなあ。内容にワクワクとはなるので、できれば辻褄を合わせにきてほしかったな。言い訳と言い換えてもいいよ。とにかく、彼らが巻き込まれるだけの「理由」が欲しい。無差別に選んだわけでも快楽殺人者であるわけでもないんだから。
そうそう。内定そのものから騙していた、そうやってモルモットを集めただけだった、というなら話としてすんなりしていたように思うんだよね。(あれ? もしかしてそんな記述がどこかにあったのかな?)
……ともあれ、ループものって難しいなと改めてこれを読んで感じてしまった。
古くはアニメの『ひぐらしのなく頃に』とか。
ラスト以外はね……。
唐突さを楽しませるのは一つの手法なんだけど、その唐突感の演出にもテクニックは必要だと思うんだ。この『実験島』もそう。驚きの隠し玉が「後出しじゃんけん」と思われてしまったら、作品としては負けだよね?
ループの原因がとある薬にあるということ。
表紙のバナーが最初から彼女だったの、そういうことだったんだな。
まあぼくは、梨のおっちゃんのシャツに笑ってしまったが。
あ、あのTシャツ……なんだかんだとリアルでも売れているらしいじゃないか。
普通に考えて、ファンでしょ? 保管用、布教用、室内着用に……。
ともあれ、次はどんな作品を出してくるのか。
わかっているじゃないか(笑)