ホイッスル!W  樋口大輔

文字数 1,424文字

サッカー漫画不朽の名作『ホイッスル!』から14年。

新たな主人公たちに、新たなるホイッスルが鳴る!!


(裏サンデーより引用)

https://urasunday.com/title/207

さて、『ホイッスル!』の続編であるこの漫画。
続編と言うよりは、次世代の少年たちを主人公にした、としたほうが正確ではあるけど……。
……? ど?
うぅ。そんなところに引っかからなくていいんだよ?(汗
いや、ごめん。かかっちゃった。それで? 「ど?」ってどういうこと?
……ぼくは、『ホイッスル!』を読んだことがあったのだろうか? 
……は?
いや、風祭くんの名前はうっすらと記憶にあるんだけど、肝心の中身の方が記憶になくて……。
圭さんなんて、いつか作者に刺されてしまえばいいんだ!
お、鬼ぃ……(涙
まあ、この漫画は彼らの子供世代が話の中心だから、『ホイッスル!』そのものを知らなくたって困りはしないとは思うけどさ。
面目ない。
んで、『W』の方に話を勧めたいんだけど。
翼のWなんだろうな。たぶん。
波のWということは?
主人公のひとりが東日本大震災を背負っているし、その可能性もある。
ぼく、難しい問題だなって思ってる。
何が?
東日本大震災を創作に組み込むことが。
ん?

だってまだ10年しか経っていないんだよね。

圭さんだって先日の『彼女を守る51の方法』で「もう」って言っていたじゃない。

そうだねえ。

心情的にはまだまだ過去にも思い出にもなっていないんだよね。

今でもあの震災が「現在進行形」である人も多くいるわけだし。

そういう人たちに「頑張れ」「前を向け」ってメッセージを届けることは圧迫にならないんだろうか。

いや、灰猫。それは傲慢だ。

ぼくらが良し悪しを判断するのは傲慢でしかない。


そういうことは、実際にあの日、あの場所で、あの震災に翻弄された人たちが判断すべきことだ。

資格を持つのはぼくらじゃない。

……とはいえ、彼らにとっても「こうであってほしい」の形は一つに決まることはないのだろう。


あの瞬間の、そしてそこから派生した諸々の辛い記録の一切を消し去ってなかったことにしたいと言う人がいたとしても、ぼくらはそれを否定してはいけない。


けれども、後世への戒めのためにも記録に残すべきことはある。それは確かだよ。

そしてどのような形で保存・保管し、どのような形で見えるようにするか、あるいは見せないようにするかは、長い時間をかけて議論されるべきものだとぼくは思う。

そうえば、『水を抱く』のヒロインも津波のトラウマを抱えていたね。

フィクションの中に「残す」ことにも価値があるんだよ。

少し古い時代の物語が関東大震災を外さないように、取り上げられる回数の多い出来事というものはそれだけ関心の強いものである証明にもなるだろう?


蓋をして、忘れ去ることは最大の悲劇だと思う。

ふーむ。
それにこの漫画はサッカー漫画だから。

Jビレッジのことを含めても、やはり震災のことは語るしかなかったんじゃないかなと思う。

まあ、震災のことはベースにあっても、基本は少年たちのサッカーへの熱意とか、負けん気とか、「らしさ」の発揮されたポジティブな漫画だったことは確かだよね。
面白かったよ。創作物としての安定感が全然違うなと思った。
若干、ラストで「は?」になったけど。

大事なところすっ飛ばしたよねえ??

まさかこんなに早く最終回とは思わなかったんだよな……。


途中で休載を挟んだし、何かあったんだろうか。
……触れてはいけないやつ、かもしれない(汗
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