かげきしょうじょ!! シーズンゼロ  斉木久美子

文字数 1,247文字

100年を超える伝統を持つ「紅華歌劇団」――。その人材を育成する音楽学校に入学したばかりの渡辺さらさは、憧れの「オスカル様」になれるのでしょうか!? 「メロディ」で大好評連載中の華麗なる歌劇音楽学校ライフ幻の前日譚、スタート!


(「マンガPark」より)

https://manga-park.com/title/4661

最初ね、「かげき」を「過激」に変換したから、タイトルだけ見て一体どんな漫画なのかとドキドキしたんだよね。
いやいや、そっちの漢字を最初に連想する時点で人として失格だから、圭さん。
人外に言われたくないし!
何さ!
……ともあれ、「かげき」は漢字にすると「歌劇」だったとさ。ちゃんちゃん。
モデルは宝塚音楽学校なんだろうね。
それしかないじゃん(笑)

これはその宝塚音楽学校、もとい、紅華歌劇音楽学校に入学した少女たちの物語。

でもこの作品、妙に中途半端なところで終わっちゃわない?
『シーズンゼロ』だけを見るとものすごい消化不良になるよね。

どうもこの作品、もともとは集英社の雑誌で連載していたのだけど、雑誌そのものが休刊になったとかで白泉社の方に移転してきたらしいんだ。

へえ。こんなに面白い漫画を連載しておきながら休刊に追い込まれちゃったんだ、その雑誌。
そこもそうだけど、自社の別雑誌で連載継続できなかったのか集英社は、という部分にもツッコミ入れたいよ。
だよねえ、こんなに面白いのに。自社で囲い込めなかったというのは確かに残念だと思う。
アニメ化もするくらいの人気だしね。


ちなみに、この『シーズンゼロ』は集英社時代の連載を再編集したものらしいんだ。

本体の白泉社版『かげきしょうじょ!!』はそれを受けた形で連載が始まるので、どうあってもこの『シーズンゼロ』を読んでおかないことには意味が通じない仕掛けだよ。

『シーズンゼロ』とタイトルに付くと本体の前日譚かな、なんて思うんだけど。ちょっと紛らわしい。
しかし、面白いよね。
さらさの天真爛漫さがいい! 良くも悪くも周りを巻き込んでいくスター性が読んでいて楽しい。
それと対をなすような奈良っちの感情欠落感にも笑ってしまう。
そのきっかけになった義理父はとにもかくにも気持ち悪い!
それを母親が気付かないってのが彼女の可哀そうなところなんだよね……。
でもそのうち、彼女はパーッと花開くんだろうな。
本編は伊賀エレナの番外編まで読んだ。

さらさや奈良っちだけじゃなく、みんなみんな背負うもの背負って頑張っているんだなと思うと、誰一人として手を抜くことなく応援したい気持ちになる。

本編の方はさ、野島先輩がまさか過ぎてショックだった。最初は「いじわる!」ってプンスカ思いながら彼女のことを追いかけていたけど、あんなオチが付くとは思いもしなかった。
そうやって志半ばで去っていく人もいるんだってことだよね。でも彼女の場合は、紅華歌劇団の外で大女優になっている後日談が用意されている気もするんだ。いや、そうであってほしい。

うん、そうだね!

連載が楽しみな漫画。今後にも注目したい。
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