銀狼ブラッドボーン  原作:艮田竜和 作画:雪山しめじ

文字数 1,691文字

伝説の吸血鬼ハンターと呼ばれた年老いた英雄が「骨喰事件」を追うサスペンスアクション!


(「裏サンデー」より)

https://urasunday.com/title/42

ジジィ、カッコいい、で大評判だったこの漫画もとうとう今日で最終回を迎えてしまった。
常に先読み、先読みでの課金読みになった。それくらい、面白かった。
冷静に考えるとツッコミどころも満載なんだけどね。
特に終盤、壮大な前口上のわりにバトルの結果が「早くね? しょぼくね!」……な、ことも多くてのう(笑)

まあ、グリムが強すぎたのが悪いのだが。

伏線、もしや機能しなかったの? みたいなシーンもちょいちょいある。それでも面白いのはやっぱり、ハンスがカッコいいから?
ぼくはね、強いじーさんが出てくる作品に弱いんだよね。
前にも言ってたね。

そう。古くは森村誠一の『星の陣』がそれだね。

一人の女性の死をきっかけにじーさんたちが太平洋戦争時代の武器を手にヤクザにケンカ吹っ掛けかける作品なのだが、これがまたじーさんたちの強いこと強いこと。ヤクザってこんなにふがいないもんだっけ? とにやりと笑ってしまう作品。

最低料金で山手線に乗り続けるラストも寂しさも含めて、今でも森村誠一で一番に推したい作品になっている。

『銀狼ブラッドボーン』もじーさんが活躍する作品。
かつて吸血鬼と渡り合い滅ぼしたハンス・ヴァーピット(70歳)が主人公。骨のない死体が出る怪奇事件に巻き込まれ、人生最後の火花を散らす。
最初はそういった怪奇事件を次々に解決していく物語かと思っていたのに、蓋を開けると全く違う作品だった。
終始、骨食いのグリムとの対決を続ける作品だったね。
そしてあのラスト。最初からフラグが立っていたとはいえ、最終話の墓のシーンを見ると「嘘でしょ……?」と、言いたくなる。
実はどこかで生きているんです、みたいな展開も期待したかったけど、体内にグリムの骨が埋まってしまった以上は、やはり彼の場合は死ぬ以外の結末はなかったんだろうな。
グリムはグリムで、拗らせた性格していてちょっと哀れ。
ハンスへの執着心だけで国の中枢に根をはびこらせ、街一つを破壊したんだから大したもんだよ。
……実はね、ぼくがこの作品で一番食いついちゃったのがファウストの容姿だった、なんて言ったら怒られるだろうか。
ごめん。実はぼくもそこには大いに食いついた。ルシアンじゃん、あいつ、いつの間に他人(ひと)様の作品に出張して吸血鬼の王なんかやるようになったんだ?
いや、まあ、ふつーに他人の空似なんだけど、あまりに似すぎていて彼のことは応援するしかなかった。
そのファウストが、もしかしたらラストで一番の肩透かしだったかもしれない。
あの、奥の手の不発感は、ぼくも正直がっかりだったよ(笑)
ハンスを倒すための切り札だったんじゃないの? ミンスタの命を犠牲にして、自分の命を犠牲にしてでも敵を仕留める究極の一手だったんじゃないの?
結果ミンスタもファウストも生きているからなあ……。(あれ、二人とも絶対死んだと思ったのに)
その理由を非情に徹せなかった、と良いことのように纏めるのはやめいって気分(笑) でも、彼が生きててくれるのは結構嬉しい。
ラスト、息子と二人で儀式に臨んでいたけど、ファウストにとってはその息子誕生シーンが一番のクライマックスだったと思う。
あんの表情! 思い出すたびにニヤニヤしてしまう。
ところで、ニルラムとセイラはあれ、くっつくの?
むしろさっさとくっつけな気分だが?(笑)
ニルラムのことは我が子の成長を見守るようにして見守ったキャラクターだから、早いところ収まるところに収まってくれたら安心できる。
見守ると言えば秋水の成長だって注目だったろう?
あっちはあっちで、まさかミンスタと? を、一瞬疑った。
そうなると一気にBL展開だなあ……。
さて、最後にココウィル。
ハンスの後妻になれずに残念だった。
彼女はこれからどこに行くんだろうね。その行く末が気になって仕方ないよ。
それもハンスが振り回したのあのでっかいハンマー背負ってな?
ココウィルを主人公にした第二部があるなら、ぜひにも読んでみたい。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

よろしくね!

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色