アイアムアヒーロー 花沢健吾
文字数 2,256文字
ゾンビ(?)が街を徘徊する中、「銃」という武器を持つ彼は……!
漫画に関しては紙より電子の方が楽だと気付いた当時、使い勝手が良かったアプリ(出版社が直接運営しているものに限定)がこの2つでした。
というわけでこの作品も「マンガワン」の配信を読みましたので、書影がこんなことになっているのはご勘弁を。
これは漫画の特徴上仕方ないんだけど、不人気で打ち切りになった作品も含むよね。評価する価値は無い。
これは結構多いと思うよ。
漫画はWEBとの親和性が高いのも、こういう作品が量産できるからだと思う。暇つぶし需要に合致している。
でも、不動の人気パターンであることは確かで、未来に渡って廃れることはないけど、読み捨てされてそれでおしまいになるんだろうな、の作品たち。
基本的にこの2つのパターンはツイッターで感想呟いたら充分だと思ってる。
漫画パークでも連載作品の中にゾンビも吸血鬼も、広くその亜種と言っていい作品は普通に存在しているし、異世界転生で俺TUEEEEが肌に合わない自分もゾンビや吸血鬼は割と抵抗なく読めたりする。
このパニックに関しては真っ先に自分が思い出すのはジョン・ウィンダムの『トリフィドの日』で、これだって描いているのはそういった危機的状況下で「人類はどう行動するのか」という「社会」のあり様だもん。
作中にはいくつもの「コミュニティー」が登場するわけで、上手くいったり破綻したりしたりしていたよね。
一周回ってクズはクズかなと思ったんだよね(笑)
この作品も、人間個々人の個性を描くし、いくつかのコミュニティーを描いていることは確かだよ。
他にはない特徴を挙げようとすると難しいけど、登場するのは厳密なゾンビではなくZQNであるということか。
しかし結局のところ、ZQNが何であるのかは明確にはわからないんだよね。可能性を提示するだけ提示して、読者よ、好きに解釈するが良い、と言わんばかりの終わり方したし。
とはいえ、「協調性」「同調性」への皮肉の滲んだ作品だとは思ったよ。
そういうものがない人間ほど感染後に「個」であり続けられるんだから。
あそこからこの先、何が生まれるんだろう。気になりすぎる。
それはともあれ、この作品で好きなシーンがあるんだよね。
台詞はない。
台詞はないけど、見りゃ自ずとわかるってやつ。
漫画じゃないと描けないやつなんだよね。小説では無理なやつ。
仮に映像化したとしても、このシーンはシャッター押すみたいに静止画にしてほしいと思った。
簡単に別の表現媒体には取って代わらせないよ、みたいな気概も感じる。