アイアムアヒーロー  花沢健吾

文字数 2,256文字

ダメダメ人生を送っている鈴木英雄。妄想の中に生きる彼のリアルはある日を境にひっくり返る。

ゾンビ(?)が街を徘徊する中、「銃」という武器を持つ彼は……!

この頃、読む漫画は「マンガワン」と「マンガPark」の配信だけに絞っています。


漫画に関しては紙より電子の方が楽だと気付いた当時、使い勝手が良かったアプリ(出版社が直接運営しているものに限定)がこの2つでした。


というわけでこの作品も「マンガワン」の配信を読みましたので、書影がこんなことになっているのはご勘弁を。

(相変わらず周回遅れの時代遅れな読み方する圭さん……のことはツッコまずにおくとして、)聞きたいんだけど、漫画の全部の感想をここに載せるわけじゃないんだ?
(括弧書きされると反論できないからやめなさいよ……)全部って、どういうこと?
だって、『いとま申して』と『死ねばいいのに』の間に、他の漫画をいくつか読み終えているでしょ? あれは書かないの、感想?
……漫画にはね、3パターンしかないと思うんだよ。
3パターン?


またなんか面倒な講釈始まりそうだけど聞いてみようか。1つめは?

時間と金返せ! の作品。


これは漫画の特徴上仕方ないんだけど、不人気で打ち切りになった作品も含むよね。評価する価値は無い。

2つめは?
面白いけど、「型通り」でとりとめて特徴のない作品群。電車の待ち時間に読むのにちょうどいいけど、それだけだよね、の作品。


これは結構多いと思うよ。

漫画はWEBとの親和性が高いのも、こういう作品が量産できるからだと思う。暇つぶし需要に合致している。


でも、不動の人気パターンであることは確かで、未来に渡って廃れることはないけど、読み捨てされてそれでおしまいになるんだろうな、の作品たち。


基本的にこの2つのパターンはツイッターで感想呟いたら充分だと思ってる。

じゃあ、3つめはここに感想を書くだけの価値がある作品なわけだ。
少なくともこの作品は記録して残しておこうかな、と、思った。
ゾンビパニックものだよね? 確か、異世界転生の次に来るムーブメントって言われているジャンルじゃなかった?
流行ると言われているのは吸血鬼ものじゃなかったっけ?
あれ? そうだったっけ??
ゾンビにしても吸血鬼にしても、廃れない人気ジャンルではあるよね。


漫画パークでも連載作品の中にゾンビも吸血鬼も、広くその亜種と言っていい作品は普通に存在しているし、異世界転生で俺TUEEEEが肌に合わない自分もゾンビや吸血鬼は割と抵抗なく読めたりする。

そもそもゾンビの良さってなんなの?
ゾンビと言うより「パニック」系全般がそうなんだけど、人類の生存を脅かされるような危機的状況下に登場人物たちを放り込むことで、平時であれば浮き上がらない人間の「社会性」や「品格」が描きやすくなるし、「社会」や「人間性」というテーマに至った時には多種多様なパターンが作りやすいこともあるし、やっぱり読み手にとっても「思うところ」が出てくるからだと思う。


このパニックに関しては真っ先に自分が思い出すのはジョン・ウィンダムの『トリフィドの日』で、これだって描いているのはそういった危機的状況下で「人類はどう行動するのか」という「社会」のあり様だもん。

作中にはいくつもの「コミュニティー」が登場するわけで、上手くいったり破綻したりしたりしていたよね。

『アイアムアヒーロー』は何を描くの?
クズはやっぱりクズってこと?(笑)
……え? ちょっと待ってよ……。
それもこの社会のリアルかなと思ったけど、ダメだった?(笑)

一周回ってクズはクズかなと思ったんだよね(笑)


この作品も、人間個々人の個性を描くし、いくつかのコミュニティーを描いていることは確かだよ。


他にはない特徴を挙げようとすると難しいけど、登場するのは厳密なゾンビではなくZQNであるということか。

ZQNって最初「ズキュン」と読んでしまって、DQN(ドキュン)の亜種かと思って笑っちゃった。
そこは狙っていたんじゃないのかなあ?


しかし結局のところ、ZQNが何であるのかは明確にはわからないんだよね。可能性を提示するだけ提示して、読者よ、好きに解釈するが良い、と言わんばかりの終わり方したし。


とはいえ、「協調性」「同調性」への皮肉の滲んだ作品だとは思ったよ。

そういうものがない人間ほど感染後に「個」であり続けられるんだから。

合体し始めてからは「うえぇ……」って思った。
本当に、「巣」って何なんだろうね。モヤモヤしている。

あそこからこの先、何が生まれるんだろう。気になりすぎる。


それはともあれ、この作品で好きなシーンがあるんだよね。

ん? どんな?
少なくとも2回はあったと思うんだけど、1ページを縦に3分割して、男女の表情や向き合い方の変化で内も外も全部を表現しているシーン。

台詞はない。

台詞はないけど、見りゃ自ずとわかるってやつ。


漫画じゃないと描けないやつなんだよね。小説では無理なやつ。

仮に映像化したとしても、このシーンはシャッター押すみたいに静止画にしてほしいと思った。

小説(文字)も漫画(静止画)、映画(動画)って、それぞれに、それでしか表現できない、ってのがあるんだよね。
そうなんだよ。それがわかっている腕のある作家は、やっぱり他の追随を許さない凄いものを作ってくるよ。

簡単に別の表現媒体には取って代わらせないよ、みたいな気概も感じる。

なーんて語りすぎているところを見ると、総じて面白かったということだね?
まあね♪
んじゃ、最後にひとこと!
ホントに物語、ここで終わりなの?(困惑)
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