鴨居の上 山田沙夜
文字数 446文字
いつもながら、沙夜さんの作品は淡々とした(しかし冷たく突き放すではなく、それでも甘やかすでもない)文章の中に飾らない「事実」を織り込んでいると感心します。
そして、毎度そこにある「和」の情景が読んでいてとても心地いいのです。
簡単に「古き良き」と表現してしまうには「良き」の部分に抵抗がある、少し残酷で、薄暗く、だからこその人間臭さの漂う「日本の風習」。今回の「巫女の家系」の話についても、その「神聖さ」を保つためにはそのくらいのことをしていても不思議ではないかもしれないな……と感じる何かがありました。
さてさて、結婚した男はみな早く死ぬと脅されて、それでも結婚する道を選んだ輝明の運命やいかに?!
食べ物の表現が好きです。
読みながら涎が出てきました。おにぎり、食べたい!
それから昨今注目のLGBT。女どうしだって、いいじゃない、幸せならば♪
そう、思いました。