第60話   戸畑祗園祭り 北九州

文字数 963文字

 4年前の思い出。提灯を三角に積み上げた戸畑祇園の映像は毎年見ていたが、
行ったことがなかった。世界文化遺産に登録されると俄かに興味が湧き見に行った。
 路地で提灯を棒に取りつけている、八幡様への道には露天が百店以上並んで
いる。神社の右の社は素戔嗚尊を祭ってある。祇園祭りを行う京都八坂神社で
も博多の櫛田神社でも素戔嗚尊を祭ってあると神主はいう。宗像大社の三女神
の父が素戔嗚尊でもある。歴史関連が面白い。
 1803年戸畑で疫病が発生し、須賀大神に疫病退散を祈願すると平癒した。
翌年7月、山笠を作り、祝いは今日迄続いている。昼と夜では姿が違う。昼は
幟山笠・夜は提灯山笠に変化する。明るい内は12本の幟を飾り、町内を巡行
する。夕方、道路を通行止めにし各町内の太鼓、笛、鉦の競演が始まる。蒸し
暑さや人混みと大音響で私は気持ち悪くなり、涼しさを求め、イオン戸畑へ戻
った。体温も下がり、ラーメン餃子を食べ活力が回復した。夜の祭り会場へ再
度挑戦だ。昼間の幟大山笠の飾り物を外し、いよいよ台上に高さ5mの柱4本
を立て、男衆が櫓を組み立てる。櫓の上には5段の円錐状の提灯をチームワー
クで持ち上げ縛り付ける。6段目から両端に1個提灯を増やしていく。柱に登
り瞬く間に12段の提灯棚を縛り付ける。サーカスの演技のようだ。ピラミッ
ド状の提灯飾りが完成する。暗闇にオレンジ色の灯りが揺らめく。大東山笠は
大人が小若山笠は中学生が完成させる。重さ2.5トンの山笠を前片側に15
人後ろに15人、総勢60人で丸太棒を担ぐ。向こう鉢巻きに白法被と半股下
を着用、ヨイトサ・ヨイトサとかけ声も、手と足の振りも合わせ山笠を進めて
行く。
 山笠が組み立てられていく様子、担ぐ人々の気合い、観衆の拍手は運命共同
体を感させられた。歴史ある豪華な祭りはさすが、世界文化遺産にふさわしい
迫力があった。
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