第118話 永昌宿の林田先生 長崎街道

文字数 649文字

家に戻って2日後、小包が届いた。書籍と書いてある。永昌宿の林田さんからだった。「先日は降雨の中に当地にお越しになられ、お疲れのことと思います。生憎の悪天候のため各地の見学が十分なされなかったのではないかと気の毒に思っています。歴史に興味があるように拝察いたしましたので私の所有しています本を二冊お送りします。二冊とも同じ物が私の手元に残っていますので気になさらないで受領ください。お役に立つようであれば嬉しく思います。私は来月誕生日で満八十八歳の老人です。夫婦ともに長年教員として過ごしてきました。私は中学校、家内は小学校で、二人とも五島市の四年間の勤務以外は諫早市内の学校でお世話になりました。諫早市は長崎県のほぼ中央に位置し県内の交通の要衝です。最近では工業団地・農産物生産等発展しています。島原・雲仙方面は観光地として長崎市と共に多くの人が訪れています。隣接する大村市も空港を利用する人が多く人口も増加しているようです。私の住宅の付近は諫早藩が佐賀藩の支配下にあった時に佐賀の武士達が出向いていた住宅があったとの事です。現在は住宅が増え昔の面影は想像すらできません。・・・・これからもお元気にお過ごしされるようにお体大切にしてください。ご健勝を心よりお祈り申しあげます。令和四年六月 林田正英」。さすが先生の模範的なお手紙、しみじみとして心に残る内容でした。街道の人びとを訪ね、数々の体験や話しを聞いてきました。皆様、快く昔話をしていただき、本当に有難うございます。お元気でお過ごしください。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み