第38話 松原宿 松原宿活性化委員会 長崎街道

文字数 824文字

松原神社が昔から、この地を見守ている。しかし宿場町の通りは、その面影も風前の灯となりそうな感じがする。松原宿には昔ながらの松屋旅館がある。当時の面影が残る実物の建物である。所有者は埼玉へ引っ越しされた。家を壊し、土地を売り払えば、松原宿の唯一の遺産が消えてしまうことになる。地元の有志が手を組んで、「松原宿活性化委員会」を立ち上げたそうだ。建物の固定資産税15万円を委員会が、払うということで、遺産を維持させてもらうことになった。
会員は40名、年会費3千円で運営するという。日曜日だけ開館する。案内役の福田さんは会社勤めだが、地元の遺産を残すという心意気に賛同し、会員になられた。月1回日曜の半日を案内の奉仕をされる。一階に数部屋があり、敷居から障子は外してあるが、廊下が続く、江戸への参勤交代や旅人の宿として利用されたようだ。割合、小ぶりの旅館で、江戸時代の宿場は、こんな大きさで使われていたのか、と実感できた。急な階段を上がると二階は広い部屋がある。元は小部屋に仕切られていたのだろう、昔使った民芸品が並べられている。炭起こしアイロン、小学生の指導の一環として見学会もある。生徒は「なんやろか」と疑問を持つ。壁に写真と説明文が掲示、昔の人は、こういう物を使い生活していたのかと、想像できる。ひな祭りは寄付されたひな段を飾る。沖縄から寄付されたものもある。コロナの時期は、二階の縁側に飾り、下から見えるように工夫されたそうだ。縁側と瓦の補修は家主さんが負担して下さったという。ネットで「松原宿活性化委員会」というのを検索すると、2月3月は雛祭り、7月は寺子屋、地元の小学生指導、1月は長崎街道を通った象とかラクダのイルミネーション。色々な行事が意欲的に行われている。地域の歴史遺産を残したいという気持ち、大勢の人がいて、ボランティアで委員会を作り活動している。忘れ去られようとする遺跡、大村市でも、もっと補助の手を差し伸べてもらいたいと思う。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み