第105話 中底音楽 電話

文字数 573文字

岩女さんから電話があった。「鞍手公民館広場で3月27日にマルシェを開く。演奏しないかと声がかかった」という。コロナ禍で2年、フォルクローレの音楽練習は休止になった。私は埼玉のグループで東出五国師匠にケーナを教えて貰い、以来、音楽の楽しみを知った。「やります」と返事した。土曜の午後、5人が集まる。竹で作ったケーナは表に6穴、裏に1穴あるリコーダーの一種である。哀愁を帯びた音が好きな人を昔の故郷を感じさせたりする。下手で上達しないが、15年続けている。限界を感じたので、これからはサンポ―ニアに挑戦しますとメンバーにお願いした。細い竹を下9本、上10本束ねた楽器である。南米音楽での副主役である。息を吹き込んで音を出すが、息継ぎが難しく、酸欠状態になり、頭がクラッとする。音も中々でない。メンバーでできる人はいない。来年からこの楽器に馴染み、音が出せるようになりたいと思う。
妹夫婦がマチュピチュに旅行した時、土産に頼んで買ってもらってきたサンポ―ニアである。以前、自分でも買って、練習したがうまくいかず、そのうち床に置いていたのを、踏みつけ割れてしまっていた。メンバーは若くない男2人と女3人である。ケーナ・ボンボの打楽器、ギター、チャランゴの弦楽器にサンポが加わる。電話があった2週間後の土曜2時に演奏曲目を撰びましょうということになった。
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