第114話 妙心寺の広大な敷地に驚く

文字数 840文字

臨済宗妙心寺派の久留米梅林寺は、久留米藩主有馬家の菩提樹であり、修行道場で老師と5人の雲水とがいる。立派な建物で常に清掃が行き届き、雲水は3年修行し、親元の寺へ戻る。この寺が、私は最高だと思っていた。しかし臨済宗妙心寺派の本山である妙心寺を見て、こんなに大きなお寺だとは、想像だにしなかった。初めて来てこの壮大さに驚いた。梅林寺の老師も卒業した花園大学もあるし、敷地は広く、北門と南門があり、その境内にいくつもの院や寺がある。花園町の住所だが、花園天皇が退位し、上皇となられ、仏教に深く関心をもたれ、旧御所を妙心寺とされたという建てられ、地名が花園町になったというから驚きである。建てられた法堂も豪快であり、天井には龍の絵が書いてある。西側から見ると下り龍になり、東から見ると昇龍になる。真下から見ると迫力がある、と案内の守衛さんは説明した。狩野探幽が3年修行し、5年間で描き上げた。立てかけて描き、天井につるした。水平になっているので、下で手を叩いても反共鳴しない。1656年完成。建物の丸柱4本が屋根を支えている。花園天皇が二条城からこちらに来られるとき創建された。直径1m高さ8mの柱は富士山から切り出し、樹齢200年、海を筏で運び、京都市内では長い丸太は角の家で曲がり切れず、門家を壊しながら運んだという。後で新築にし、建て替え返したというから太っ腹である。丸太町という町名は、その時に名付けられた。妙心寺の除夜の鐘も由緒がある。698年に作られ日本最古の国宝である。鐘の中に金も交じっている。かつては年末の除夜の鐘の一番はこの寺の鐘だった。今は現役を引退し、この建物に置かれている。釣鐘には撞き座が丸くなった場所に黄金が入れてあり、独特な音色になる。徒然草に出てくる当時の音楽楽器はこの鐘の音色に合わせ調律をしたと描写されている。花園の意味が花園天皇から由来するのが解り、なにかすっきりした。南門から入り見学が終わると北門から出る。歩いて10分ほどで仁和寺に着いた。
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