第97話 倉敷アイビースクエア 備前 天領倉敷

文字数 817文字

倉敷紡績の工場があった跡地に、40年前クラボー発足80年を記念して、アイビースクエアが
工場をリニューアルしオープンした。昔の工場の一部分を残し、煉瓦造りの建物にツタ(アイビー)がからまっている。今は初冬に入りツタの葉は枯れて少し味気ない。2階建て宿舎を内部を改造しツインベッドに風呂トイレの付いた、コンパクトなビジネスホテルのような感じである。2階の部屋はノコギリ屋根といわれた名残で天井が鋸の刃のように三角を半分にした形になっている。建物を挟んだ真ん中は煉瓦式の広場(スクエア―)になっている。明治22年の建物で
随所に当時の木造の柱や梁が残っている。まさに「泊まれる文化遺産」である。「レストラン蔦」は明治時代の紡績工場の面影をのこしている。柱は当時の物を残し天井や壁は新しい落ち着いた白で再構築されている。和食も洋食も楽しめるクラシカルなレストランである。夕食は洋食のフルコースである。3人でシャンパンで乾杯と思ったがボトル単位なのでグラスワインで我慢した。料理は腕のいいシェフがいるのだろう、素敵な味だった。ビーフステーキも素晴らしい味だが表現できない。玉ねぎのみじん切りと何か歯触りの良い小粒の物を赤ワインで煮込んだシャビアピンソースが絶妙。最後のコーヒーまで堪能させてくれました。天井の梁の木の組み合わせ、太く古い年期の入った柱は骨董品である。磨きこんであるが、打ち込んだ釘を抜いた跡が多数ある。廊下を仕切る窓ガラスは、30cm角で透明ガラスが歪んで見えるレトロものと現代の歪みのないガラスが混ざっている。ロビーホールの天井を支える太い柱の周りに、木造りの椅子が六角形に設置されている。明治の頃の鉄道駅の待合の木柱の丸椅子と同じタイプのものである。紡績記念館の建物及び内部の展示品は明治時代オンパレード。床板は厚さ6cmの幅広板が敷き詰められている。随所に明治の木造の本物が息づいている。素晴らしいミュージアムである。
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