第85話 久留米の高良(こうら)大社 薩摩街道

文字数 788文字

 府中塾の近くに高良神社がある。車を鳥居の山際に止め、案内板を見た。「高良さん史跡巡り」の看板は階段を上ると高良大社と簡単そうな絵が描いてある。「ちょいと参拝してみよう」と石段を登り始めた。
 「史跡高良山は「筑後国一の高良大社が鎮座する高良山の山腹をひろくとりめぐらした列石で、わが国の古代遺跡として、最も規模が雄大なものである」という。確かに石段は大小の踏み石を集め階段状にしており、登り難い。先ほど柚子庵でご馳走を食べたばかりの、お腹は「ふうふう」いいながら階段を上る。
 途中で降りてくる母娘に聴くと、片道30分かかるという。「初めて来たけど、登ると気持ち良いですよ。どうぞ行ってらっしゃい」と言う。ちょっと参拝のつもりが山登りのような状況になった。降りてくる人はリュックを背負い登山の格好の人もいる。気合いを入れハイキングという感じだ。
階段は古代遺跡だから、大小の石の積み重ね、こんなものだろう。汗が背中を流れる。連れは、元気に先を昇って行く「途中で止まると、もう登りたくなくなるといけないから、休まず登った」と言う。トイレに行きたくなるし、途中で「やめよう。山登り」と言ったが声が届かない。仮設トイレがあり一安心。トイレがあるのは大社へ登る人が多いせいだろう。
 樹木も大きく日陰は涼しいし風もある。家族連れの小学生が走るように登って行く。「元気だな」。7分目位に着いた。そこまで車で来れるようだった。車道を横切り大社へはもう一踏ん張り。平成の大改修がされ社は赤い瓦や柱が華やかである。下界を眺めると久留米市街が一望できる。筑後川が横たわり、高層の市役所近辺が見える。
 3月には御神幸があり昔の装束で練り歩くらしい。歴史ある神社の風格があり、大勢の参拝客が来ていた。高良大社の謂れ「西暦400年創建で延喜式明神大社・筑後国一の地域筆頭格式を誇ります」とある。
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