第86話 久留米柚子庵 薩摩街道

文字数 841文字

 久留米梅林寺の彼岸のお墓参りの後、柚子庵で昼食をとった。割烹料理というか、精進料理もできる板前さんがいて師も、この場所であれば、法事の後の食事に同席して貰える場所である。
 今回は、久々に連れと昔ながらの懐石の味を楽しんだ。料理が運ばれた時、聞くとコロナの「緊急事態宣言で客足が途絶え、土曜日曜に来客があり、法事の仕出しくらいで、大打撃です」と言う。日本の手の込んだ和食が無くなってしまわないよう、継続出来るよう念願しています。
 長月の献立である。お品書きに従って味わう。
○先付け:胡麻豆腐。新銀杏は熱々でおいしい。
○前菜:松茸風で里芋の頭皮を残し下が白剥き。鯖寿司も綺麗に包丁が入れてある。飾りにススキと小菊が季節ならではと添えてある。
○吸い物:松茸の真丈で柚子の香り良し。出汁がさすが。
○次の赤いお椀:蓋を空けると、宝袋はおいしかった。黄色人参をトンボの形に切り抜き、貝柱の上に。イカに黄色菊の葉2枚を並べウサギさん。
○お造り:胡瓜の渦巻きに、鯛にマグロ。感触と味。柔らかさ、固さ。器も冷えていい。食べた下から器の図柄が出てくる。
○日本的な部屋のしつらえ。お床があり、花入れに野の花が挿してある。
○グレープフルーツ釜:オーブン焼きは酸味があり、ま!贅沢。色々な具材があり微妙だ。
○煮物:冬瓜けんちん 焼き穴子は蓋を開けると、手間が掛かっている
○揚げ物:栗麩の二色田楽。デンプンをこねて麩。熱くて芳しくてとろろ。芥子の実が乗っている。
○汁椀:じゅんさい湯葉に葱赤だし。松茸ご飯。香の物に梅干し、沢庵、コンブ
秋はじゅんさい。てまひまかけた熟練の味。温かい・冷たいのもご馳走のうち。
 以上は連れ合いが、食べながら話していた言葉でした。
とても、しっとりした雰囲気でおいしい料理でした。しかし、このおいしさの記憶は何時までもは残らない。楽しかったことや綺麗だった風景は頭の中の記憶に残る。味わった美味しさの記憶は、何故か消え去ってしまい、残念な気がする。記憶に残す方法はないのでしょうか。
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