第107話 コロナとの戦い エッセイ

文字数 2,002文字

パンデミックについての防御対策について、何が出来るかと考えると、私は無力であることを痛感する。テレビや新聞の情報を見て出来ることは、マスクをしっかり着用し、店に入るときアルコールを手に噴霧し、三密という密閉・密集・密接を避けることである。後は、政府の考えた施策に従って、自分の行動を制御して、新型コロナへかからないよう、注意し生活する。
私たち高齢者は守ることはできても、多くのソーシャルワーカーの人達は、自分の防御対策は、三密が出来ない状況で仕事をしなければならない。感染の危険性の高い、職場で働き、家族を守らなければならない。マスクは風邪を引いた時、他人への空気感染を防ぐために着用する。妻は花粉症で何十年も前から1月から6月頃まで、白いマスクをしていた。クシャミ・鼻水・鼻づまり・発熱に悩まされていた。まだ、マスクをする人は少なく、「病気じゃないの」と気味悪がられていた。この2年間、日本中で全員がマスクをしている。ウイルスの感染する罪の免罪符の役目もしているようだ。欧米人はマスクを嫌がり、ワクチンを宗教上の理由から拒否する人もいるという。それらの人がコロナ陽性になった菌をばらまき感染を広げる。だから変異型オミクロン株が米国で1日150万も掛かり、ヨーロッパの国々でも日々50万人の感染者が出るのだと思った。毎年の日本でのインフルエンザは1200万人位の人が罹り、年間の死亡者も1万人位だという。10年前、私はインフルエンザにかかり、自宅で療養した。咳や熱が出てウイルスに体力を奪われ、「死ぬのではないか」という思いがした。医師の処方箋で数週間かかり治った。こんな苦しい体験はしたくないと、毎年の予防注射は欠かさない。ウイルスが自分の身体に入り込み、食い潰そうとしているのを体験しているような気がした。日本人は本来真面目な人が多い。政府の言うことを素直に聞きいれ、ロックダウンせずに、新型コロナの感染者が減少したと確信していた。1日数百人の感染者に減少し、令和3年末には、日本ではコロナが終わるのではないかと思った。外国に対して人の交流は鎖国状態にし、ワクチン2回目も大半が接種した。ところが令和4年正月になると、どこから伝染したのか、新種の変異種オミクロン株が欧米の感染経路から日本に侵入した。瞬く間に5万人以上の感染者が日本中に蔓延し、第6波の到来となった。他国の状況を知り予測できたのに、何故、国は水際で侵入を止めることができなかったのか。目に見えない敵だから、どこで誰から、どういう状態で伝染したか分からない。厄介な敵との戦いである。ウイルスと人間は共に生きていく運命にあるらしい。完全な除去は不可能であるという。鳥インフルが発生すれば、その場所の全ての鶏を殺処分し、他所への感染を防ぐという。単純なやり方であるが、何万羽の鶏の命を奪うやり方は残酷だと思う。この方法は人類に対しては適用することは、絶対にできない。コロナ対策に詳しい医者も、最終的にはロックダウンで感染を防ぎ、ワクチンを全員に打ち、全員が免疫性を取得するまでコロナ騒動は終息しないと発表している。中国は都市封鎖し国民の不便を顧みず、ワクチンを注射し抑え込む。専制国家のやり方でウイルスを抑え込んだ。民主国家の米国のやり方は、ワクチン反対の人は接種しない。ロックダウンも厳しくない。1日感染者が150万人発生する。日本政府のやり方は、国民に三密を頼み、飲食店で酒を飲ませず、繁華街に集まらないようにお願いする。ワクチンも製造できず、治療薬もアメリカ頼みであり、ロックダウンも出来ない。これでコロナが終息するなら、一番良い。しかし、戦争と同じで竹槍をもって、敵機に向かっても勝てるはずがない。マスクについても安倍のマスクでお茶を濁す政治や、紙幣は印刷すれば際限なく発行できるという総理は、無責任極まりない。ワクチンの開発や治療薬は米国や英国や中国でも出来るのに、何故出来ないのだろうか。国が、政府がやらなくて、誰ができるというのか。個人や民間企業だけお委せでは、対策は不可能である。国税を扱う政治のやり方がどこかおかしいのだと思う。パンデミックが始まる前、平時の日本は平和で豊かな国であった。福祉についても、高齢者や身障者や子供たちに優しい社会だったと思う。ウイルスと人間は共存するのが原則ならば、次のウイルス戦には、国としては本腰を入れ、自国でワクチンや治療薬を他国に先駆けて開発する体制を構築すべきである。
「喉元すぎれば熱さを忘れる」という傾向が人間にはある。今回の新型コロナウイルスもいつか終焉の日が来ると思う。政府と野党は困難を克服して、ウィルス開発に即時対応できる国策をたて実行することが政治家の使命ではないだろうか。私達がいくら頑張ってもコロナに対しては無力である。国が責任を持って、この始末を付けるべきだと思う。
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