冷やし麦をおかずに飯を食う

文字数 512文字

 昭和40年代前半。
 子供の頃に住んでいた狭い社宅。
 茶の間は狭間の四畳半。
 すすけた土壁と、ぼろぼろの畳と色褪せた傷だらけの、そして落書きだらけのちゃぶ台。
 そこで「冷やし麦をおかずに飯を食う」親父。
 まさか冷やし麦がおかずになるとは思っても見なかった。
 子供心に、「ディーゼルカーで客車を牽く」みたいなことやるなと思った。
 いやいや、それじゃ分かりにくいですね。
 客車を牽くのは機関車で、気動車はお客を乗せるのに完結してるのに、何でわざわざ改めて客車を牽くんだ? 
 つまり冷やし麦は食べ物として完結しているのに、何でわざわざ冷やし麦をおかずに飯を食うんだ?ってね。
 九州の人はうどんとかラーメンと同時におにぎりを注文するって、関東の人は驚いている…んだとか。
 これだって発想は近いですよね。
 西洋風に言うと、サンドイッチとトーストを同時に注文する?
 トーストにサンドイッチを塗って食べるのか?
 ともあれ、親父の冷やし麦をおかずに飯を食うは、幼心にカルチャーショックでした。
 今でもやれったって、私には出来ません。
 麺つゆだけで、麺と飯の両方のめんどうを見なければいけないなんて理解できん!
 あ~、訳の分からん話、スマソ。
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