画期的なキャットフード(YouTube配信中)
文字数 1,345文字
とあるペットフード会社の開発部門に勤務する彼は日々、キャットフードの開発に勤しんでいた。
そしてある日、彼はひょんなことから、とある画期的なキャットフードの開発に成功した。
それは猫科の動物に特異的な、そしてとてつもない薬理作用を持つものなのだが、こんな代物を一般家庭に販売しようものなら、とんでもないことになるのは火を見るより明らかだった。
なんたってこのキャットフードを食べた猫、とりわけトラ猫は、半日ほど変身するのだ。
虎に!
だから一般家庭で愛猫にこんなキャットフードを食べさせようものなら…
がお~~~~!
だけどそれからしばらくして、彼はそのキャットフードの画期的な使用法を、というか、販売先を思い付いた。
それは動物園だ!
ちなみに動物園でのトラの仕入れ値は、絶滅危惧種だし、入手や輸送の困難さもあり、一頭五百万だそうだ。そして餌は一日40キロもの肉が必要だ。
とにかく動物園としては、とんでもなくコストのかさむ動物なのだ。
そしてある日、彼はそのキャットフードと、里親探しから預かった一匹のトラ猫を携え、とある経営難に瀕した動物園を極秘に訪問した。
そして彼は雄弁にそのキャットフードを売り込み、そしていろんな悶着の後、そういう訳で経営難に喘ぐその動物園の園長は、彼の提案を渋々受け入れた。
本物の虎はもう一頭しかいなかったし、新しく仕入れるのはほぼ不可能だったし、だから苦渋の選択である。
だけど動物園を訪れたお客さんを欺くことになる。
だから苦渋の選択である。
ともあれそういう経緯で、その里親探し中のトラ猫にとっては、その動物園が新しい「里親」となった。
で、その仔の一日はこんな感じ…
飼育係は開園前の朝、にゃーお♪と起きたトラ猫に、彼が開発した件のキャットフードを食べさせる。
するとそのトラ猫は30分ほどで見事なベンガル虎(のようなトラ猫)に変身する。
もちろん危険なので、トタ猫は頑丈な虎のおりで飼育している。
そして程なく、そのベンガル虎もどきのトラ猫は、動物園で人気者となった。
子供たちは「すげ~、ベンガル虎だ!!」とか言って歓声を上げたのだ。
そして夕方、動物園は一日の営業を終え閉園し、ほどなくベンガル虎もどきのトラ猫は、キャットフードの効果が切れ、本来のトラ猫に戻る。
それで飼育係がおりに入り、ごろごろいうトラ猫をなでなでしてから、通常のキャットフードを食べさせる。
そして翌朝には再び、彼の開発した特殊なキャットフードを与え…
そういう訳で虎の仕入れ代や餌代も大幅に節約でき、動物園の経営もかろうじて続けられたのだが、ある日、飼育係はとんでもない手違いをしてしまったのだ。
その飼育係は、あと一頭いた、本物のベンガル虎も担当していたのだが、その虎に与える肉に、ひょんなことからその彼が開発した、あの特殊なキャットフードが混入していたのである。
そもそもこのキャットフードは、猫科の動物に特異的に作用する。
そしてその薬理作用で、トラ猫が本物の虎に変身するのだ!
だとしたら、もしこのキャットフードを本物の虎に食べさせたら、一体どういう生き物になるのだろう?
そして案の定その30分後、その本物のベンガル虎のおりの中にいたのは、驚くほど巨大な…
そしてある日、彼はひょんなことから、とある画期的なキャットフードの開発に成功した。
それは猫科の動物に特異的な、そしてとてつもない薬理作用を持つものなのだが、こんな代物を一般家庭に販売しようものなら、とんでもないことになるのは火を見るより明らかだった。
なんたってこのキャットフードを食べた猫、とりわけトラ猫は、半日ほど変身するのだ。
虎に!
だから一般家庭で愛猫にこんなキャットフードを食べさせようものなら…
がお~~~~!
だけどそれからしばらくして、彼はそのキャットフードの画期的な使用法を、というか、販売先を思い付いた。
それは動物園だ!
ちなみに動物園でのトラの仕入れ値は、絶滅危惧種だし、入手や輸送の困難さもあり、一頭五百万だそうだ。そして餌は一日40キロもの肉が必要だ。
とにかく動物園としては、とんでもなくコストのかさむ動物なのだ。
そしてある日、彼はそのキャットフードと、里親探しから預かった一匹のトラ猫を携え、とある経営難に瀕した動物園を極秘に訪問した。
そして彼は雄弁にそのキャットフードを売り込み、そしていろんな悶着の後、そういう訳で経営難に喘ぐその動物園の園長は、彼の提案を渋々受け入れた。
本物の虎はもう一頭しかいなかったし、新しく仕入れるのはほぼ不可能だったし、だから苦渋の選択である。
だけど動物園を訪れたお客さんを欺くことになる。
だから苦渋の選択である。
ともあれそういう経緯で、その里親探し中のトラ猫にとっては、その動物園が新しい「里親」となった。
で、その仔の一日はこんな感じ…
飼育係は開園前の朝、にゃーお♪と起きたトラ猫に、彼が開発した件のキャットフードを食べさせる。
するとそのトラ猫は30分ほどで見事なベンガル虎(のようなトラ猫)に変身する。
もちろん危険なので、トタ猫は頑丈な虎のおりで飼育している。
そして程なく、そのベンガル虎もどきのトラ猫は、動物園で人気者となった。
子供たちは「すげ~、ベンガル虎だ!!」とか言って歓声を上げたのだ。
そして夕方、動物園は一日の営業を終え閉園し、ほどなくベンガル虎もどきのトラ猫は、キャットフードの効果が切れ、本来のトラ猫に戻る。
それで飼育係がおりに入り、ごろごろいうトラ猫をなでなでしてから、通常のキャットフードを食べさせる。
そして翌朝には再び、彼の開発した特殊なキャットフードを与え…
そういう訳で虎の仕入れ代や餌代も大幅に節約でき、動物園の経営もかろうじて続けられたのだが、ある日、飼育係はとんでもない手違いをしてしまったのだ。
その飼育係は、あと一頭いた、本物のベンガル虎も担当していたのだが、その虎に与える肉に、ひょんなことからその彼が開発した、あの特殊なキャットフードが混入していたのである。
そもそもこのキャットフードは、猫科の動物に特異的に作用する。
そしてその薬理作用で、トラ猫が本物の虎に変身するのだ!
だとしたら、もしこのキャットフードを本物の虎に食べさせたら、一体どういう生き物になるのだろう?
そして案の定その30分後、その本物のベンガル虎のおりの中にいたのは、驚くほど巨大な…