法事でおならが出そうになったとき

文字数 573文字

 法事でお坊さんがお経なんかを読んでいる。
 親戚一同、お部屋に正座して、しんと静まりかえって聞いている。
 決して音を立ててはいけない時間。
 ましておならなんて…

 ところが「出もの腫れもの所構わず」という諺のとおり、こういう時に限って、おならがしたくなるものです。
 本日は、そんなときの画期的な対処法をご紹介します。
 ちなみにこれは、私が五十年近く前に母からきいた話ですが、その方法とは…

 まず、お坊さんがお経を読んでいるシチュエーションですから、当然みんな正座しています。
 すると幸いにして、踵がおしりの下にあります。
 従ってその方法とはずばり、踵をお尻の穴に当てるのです。
 あたかもトランペットのサイレントミュートみたいに…
 これで音は格段に小さくなります。
「ブー」が「ピー」くらいに。いやいや、上手くいけば「スー」ぐらいには…
 それと肝心なのは、おならを出すタイミングです。
 これはお坊さんが「あ~~~~」とか「お~~~~」とか、とにかく大きな声を出したときを狙うのもいいですし、「こーん!」とカネを叩いた瞬間でもいいでしょう。
 そうすれば音が紛れてしまいます。
 ただし、臭いだけはどうすることも出来ません。
 だから万一、周りの人たちが鼻をひくひくさせたとしても、豪快に知らんぷりを決め込みましょう。

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