おかわり無限にOK(ただしメニューは限らせて頂きます)

文字数 673文字

 大飯食らいの俺が、例によって豪快に腹を減らし、街をさまよっていた。
 これは「食い物屋」シリーズの定番の書き出しだが、とにかくそうだったんだから仕方がない。
 あなただって、そういうことって、きっとあるでしょう?
 で、表題の如く書いてある看板につられ、ふらふらとその店の暖簾をくぐった。
 入って、店の壁にあったメニューを見ると、まあありふれたメニューがそこそこの値段で並んでいて、やっぱりそこには「おかわり無限にOK」とあり、で、その脇に小さく「おかわりは、本日は各種おじやに限らせていただきます」と書いてあった。
 それで俺は定番のとんかつ定食を注文し、それを食い終え、それから仕上げにおじやも悪くないと思い、
「ええと、おかわり…、お願いできます?」なんて店員に言うと、早速店員が、どういう訳か緑色の不気味なげろげろした液体が入ったコップと大皿を持ち、とことことやってきて、「これを飲むにゃん!」と、高圧的に言い、俺にコップを手渡した。
 それで俺は、その高圧的な物言いに圧倒され、「あ、はい」と、言われるがままその液体を飲んだ。
 すると何故か突然、豪快に吐き気がしてきた。
 それから店員は、持っていた大皿をどかんとテーブルの上の、俺の口の前に置き、そして俺の背中をさすりはじめた。

 おえ~~~~~~~!

 そして店員は、せっせと俺の背中をさすりながらこう言ったのだ。
「ええ~、本日のおかわりのおじやは、各種おじやの中にありましても、え~、先ほどお召し上がり頂いた、とんかつ風味でございます♪」

 おえ~~~~~~~!! げろげろげ~~~~~~~~!!!
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