ニッチェの女の子

文字数 8,036文字

 ぼくはお父さんとウサギの公園でキャッチボールをしていた。そしてお約束どおりお父さんが暴投して、ボールはぼくの頭のはるか上を飛んでいった。

「あ! すまん」
 お父さんの声を背中に聞きながら、ぼくはボールを追いかけた。するとボールはころころとウサギの公園の芝生を転がり、その芝生はやがて斜面になっていて、だからボールはその坂を転がり始めた。

(やばいぞ!)
 それからぼくはそう思いながら、必死で坂を下りボールを追いかけた。

 するとボールは坂を下り切ったところにあるカシの木の根元へ向かい、それから突然、僕の視界から消えた。
 ちなみにぼくはずいぶん坂を下ったので、多分ぼくもお父さんの視界から消えていたはずだ。

 それからぼくもそのカシの木の根元にたどり着き、そのボールを捜し始めた。
 するとそこに、ぽっかりと穴があいていた。
(ああ、この穴に落ちたんだ…)
 そう思ってぼくがその穴に手を突っ込んだ瞬間、どういうわけかぼくは突然その穴に吸い込まれた。

 それからぼくは物凄いスピードで光のトンネルのようなところを通り抜けていた。
 何と表現したらいいかぼくには分からないけれど、そのときぼくは物凄いスピードで、物凄く遠くへ移動しているような気がしたんだ。

 そうしているうちにぼくは意識が遠くなり、何だかぼくは、頭から真っ逆さまに落ちていくような感じになった。
 そしてしばらくして、何かが「どしゃん」とぼくの背中にぶつかった。
 いや、ぼくが背中から何かの上に落ちたような感じだった。

 それは固いものではなく、すこしだけクッションが効いていた。
 だけどその直後、ぼくは一瞬気を失っていたようだ。

「見掛けない子ね。新入りさん?」
 女の子の声にぼくは気が付いた。その女の子はぼくの顔を覗いていた。
 そのときぼくは芝生…いや、人工芝みたいなものの上で仰向けになっていた。
 どうやらぼくはそこに背中から「どしゃん」と落ちたようだった。

 それから女の子に手を引かれ、ぼくは起き上がった。
 見渡すと公園みたいな場所だった。
 だけどぼくは何となく、その場所が大きな建物の中にあるような気がした。

 ぼくが辺りを見渡すと空は見えず、そこはたくさんの階がある、巨大な建物の一角のような感じがしたからだ。
 それからぼくはその女の子にたずねた。

「新入りさんって?」
「新しくニッチェに来た人をそう呼ぶのよ」
「ニッチェ?」
「この場所のことをそう呼ぶの。ずっと昔からこの場所はそう呼ばれているのよ」
 それからぼくは立ち上がり、少し歩くと、建物の吹き抜けのような場所があり、その手前にはガラス張りのフェンスがあって、ぼくは近づいてそれに寄りかかった。

 女の子も一緒にフェンスに寄りかかり、二人で並んでフェンス越しにそこからの景色を眺めた。
 そこからは沢山の…、もう数え切れないほど沢山のフロアが見えた。
 そしてそれは巨大な、物凄く巨大なデパートという感じの、そしてとても近代的な建物だった。

 華やかな雰囲気。
 音楽が流れ、たくさんの人々がいろんなフロアを歩いていた。

「ここは二百五十階建てなの。そしてこのフロアは二百階にあるの」
「そんなに? で、ここは二百階?」
「そうよ」
 ぼくは驚いた。だけど本当に数え切れない程のフロアがそこから見えたんだ。
 ぼくの下に百九十九の、そしてぼくの上に五十のフロアがある。

「ここは一体どういう場所なの?」
「ニッチェのこと?」
「そう。で、ニッチェって?」
「ニッチェは元々『すきま』とか『巣』という意味なの。ずっと昔の人がそう呼ぶようになって、それからずっとずっと、ここはニッチェと呼ばれているの」
「そうなんだ。で、ニッチェって、どこにあるの?」
「木星」
「え?」
「木星よ。地球から見たら、お空に輝いているのでしょう? 木星。だけど私見たことがないの」
「どうして見たことがないの?」
「私はここで生まれたから」
「ここで生まれた?」
「ここで生まれて、ずっとここに住んでいるの。だからここは私の故郷なのよ」
「君のお父さんお母さんは?」
「私の両親はあなたみたいに地球からやって来て、だけど帰れなくなって、それでここで結婚して私が生まれたの」
「そうなんだ…」
「うん」
「ところであそこを歩いている沢山の人たちは、みんな地球から来たの?」
「地球から来た人と、ここで生まれた人と、半々くらいかな」
「半々?」
「そうよ」
「ところでぼくって、地球に帰れるのかな?」
「それは運次第。帰れる人もいるし、帰れない人もいる。帰れない人は、多分地球では行方不明者ということになっているでしょうね」
「じゃぼくは行方不明者?」
「それに地球には『神隠し』っていう言葉もあるのでしょう」
「ぼくもそうなるのかな?」
「それは分からない。だから運次第なの」
「運次第…」
「だけどくよくよしてもしょうがないよ。帰れるかどうか本当に運次第なんだから」
「そうか…、うん。分かったよ。運次第なんだね」
「それじゃこれから、ここのこと、いろいろ教えてあげるね」
「うん。教えて!」
 それからぼくらはまた、公園のようなところにあったベンチに座って話を続けた。

「それでね。ニッチェは木星内部の深いところにあるの」
「木星の内部に?」
「そうよ。それでニッチェは直径一キロメートルくらいの球形なの。そして、その空間の中に、ここの人たちが長い時間を掛けて…、それは何万年も前からよ。そうしてここの文明を築き上げたの」
「そうなんだ。それで、ここの人たちやぼくは、一体どうやってニッチェにやって来たの?」
「地球からタイムカナルを通って来るのよ」
「タイムカナル?」
「このニッチェから、地球のいろんな所に張り巡らされた運河みたいなものなの。それはこのニッチェから地球のいろんな場所へ通じていて、ときどきその入り口が開くの」
「開く? 開いたら?」
「あなたみたいにその入り口に触れた人は、タイムカナルに吸い込まれてニッチェまで運ばれるの」
「運ばれる…」
「そうよ。一瞬にして」
「たしかにそんな感じだったな」
「木星と地球の間は何億キロもあるのに、とにかく一瞬にしてここまで運ばれるの。たぶん時空のゆがみが原因だって言われているし、木星の強い重力も影響しているらしいの」
「そうか。たしかにぼく、あっという間にここへ運ばれた気がする。だけどさあ、どうしてここが木星だってことが分かったの? ここから木星、見えないし。それにタイムカナルのことも…」
「何万年ものあいだ、タイムカナルを通して地球からたくさんの人が運ばれてきたらしいの。その中には科学者もたくさんいたのよ」
「たくさんの科学者が?」
「そう。そしてその科学者たちが、このニッチェについていろいろ調べたらしいの」
「へぇー」
「たとえば『フーコー振り子』というものを使って実験したら、自転周期が十時間ほどだと分かったの」
「フーコー振り子?」
「フーコーは地球の十九世紀の科学者よ。フーコー振り子という、大きな振り子を発明して、それで実験をして、そして地球の自転を物理的に証明したの」
「そうなんだ」
「それで、ある科学者がここでそのフーコー振り子の実験をして、ニッチェは約十時間で自転しているということが分かったの。そして自転周期が十時間ほどの惑星は、太陽系では木星と土星だということも、たくさんの科学者が知っていたから」
「そうなんだ」
「それだけじゃないの。その後、時代を下った地球の未来の人が来て、ものすごく性能のいい『ジャイロ』という機械を作って、それで測定したら自転の周期が九時間五十六分だと判明したの。そしてそれは木星の自転周期とぴったり同じだったの」
「そんなことも…」
「そして、そのほかのいろんな研究から、ニッチェは木星の内部にあるだろうということが予測されたの。温度とか気圧とか、いろいろよ」
「ねえ、タイムカナルって、昔の人を運んだり未来の人を運んだりするの? 時代を下った未来の人が来たって言ったけれど…」
「そうよ。タイムカナルは、地球の過去にも未来にもつながっているの。だから、タイムカナルって呼ばれているのよ」
「そうなんだ。で、昔の人って、例えば?」
「若き日のアインシュタインも来たらしいのよ」
「アインシュタイン?」
「そうよ」
「うわ~」
「そして彼はここの中央図書館で、たくさんの本を読んでいったらしいの」
「中央図書館?」
「ここの五十階のフロアにある、とても大きな図書館なの」
「そうか。図書館があったんだ」
「そうよ。そしてそこには地球の過去から未来の、物凄い量の情報があるの」
「凄い! で、それから?」
「それからしばらくして、アインシュタインはニッチェに開いたタイムカナルの穴に偶然吸い込まれて、そして地球へ帰ったらしいの」
「それからあの相対性理論を…」
「それにここではいろんな時代の、いろんな人が地球からやって来て、ここでいろいろな実験や研究をして、そしてその成果がここの中央図書館に残されているの。膨大な量の情報なのよ。それは地球にある全ての情報に匹敵するかもしれない」
「そうなんだ。だけどぼくもアインシュタインみたいに地球へ帰れるのかな」
「さっきも言ったけれど運次第。だけど地球から来た人は帰れることも多いみたい。ここで生まれた人は、ここに留まっていることが多いみたいだけど…」
「そうなんだ」
「でも、地球へ帰りたいでしょ?」
「…そうだね」
「私も地球、行ってみたい」
「一緒に地球へ行けたらいいね」
「そうね。私ここで生まれて育ったから、本当はここのことしか知らないの。だけど私、いろんな新入りさんから地球のこと聞いているから、地球のことはいろいろ知っているの。中央図書館でいろんな本も読んだし、学校でも地球のこと、いろいろ習ったし」
「ここには学校もあるの?」
「そうよ。ここでたくさんの子供が生まれているから、幼稚園も小学校も中学校も、高校も大学もあるのよ」
「そうなんだ」
「だけど私、地球へ行ったことないから、学校で習ったり、中央図書館で本を読んだりしただけだから、想像つかないの」
「想像つかない?」
「うん。空とか海とか、太陽とか月とか星とか。地球の海って、ものすごく広いんでしょう。空って青く澄んでいるんでしょう」
「そうだね。太陽は…」
「太陽はまぶしくて、月は夜空に白く美しく光っているんでしょう」
「そうだね」
「私、何でも知っているよ。見たことないけどね」
「そうなんだ…」
「だから私も見てみたい」
「そうだね。空とか海とか、星とか夕焼けとか…君に見せてあげたい」
「ねえ、これから中央図書館へ行ってみない? 地球のいろんなことが書いてある本が沢山あるの。物凄く沢山よ。過去のことも、未来のことも…」
「未来?」
「そうよ。未来!」

 それからぼくらはそのフロアのエレベーター乗り場へと向かった。
 そこには沢山のエレベーターがあり、沢山の人々が乗り降りしていた。
 エレベーターというより、「垂直に走る電車」と言った方がいいかも知れないし、そこは電車を待つ駅のホームという感じでもあった。

 しばらく待つと「中央図書館行」というエレベーターが来たのでぼくらはそれに乗った。
 とても大きなエレベーターで、中にはベンチのようなシートが沢山あった。
 何だか待合室みたいな感じ。

 そのシートにぼくらは並んで座り、エレベーターが五十階のフロアへと向かう間、ぼくらは話を続けた。

「ねえ、ここって凄い文明だよね」
「何万年も前からたくさんの地球人が来て、そしてこの場所を築き上げたから」
「そうだったね。未来の人も、だよね」
「そうよ。だからここには凄い文明があるのよ。これから向かう中央図書館だって凄いのよ。いろんな本がずらーっとあって…」
 それからエレベーターは百五十のものフロアを進み、しばらくすると僕らは五十階のフロアに着いた。

 エレベーターを降りると目の前に中央図書館の入り口があった。
 そこから中に入るとそれは大きな図書館で、大きな図書室が沢山あり、どの図書室もずっと向こうまで続く本棚があり、そこには物凄い数の本が置いてあった。

 そして驚いたことに、図書館のあちこちにはご飯を食べる場所も、寝る場所もあるみたいだった。
 ぼくがそこで暮らすことも出来るような場所だった。

 それからぼくは、本棚から気に入った本を手に取り、それらを持ってテーブルに付いた。
 そしてぼくが本を見始めると女の子は、
「それじゃ私、学校へ行ってくるね」と言った。
「学校?」
「そうよ。学校は朝九時から始まるの。私はあのとき通学の途中だったのよ」
「そうだったんだ」
「それじゃ、ここでいろんな本を読んでいたらいいわ。学校が終わったらまたここに来るから。それでええと、それから海に行ってみない?」
「海?」
「そうよ」
 ここにも海があったなんて…ぼくはそう思ったけれど、それがどんな場所なのか、見るのを楽しみにして、それからぼくは図書館でいろんな本を読んで時を過ごした。

 本当にたくさんの本があって、地球の過去のことや未来のことや、それからニッチェの歴史のことや、その構造のことなど、いろんなことが書かれた本があった。

 ニッチェにある二百五十のフロアはそれぞれいろんな場所になっていて、学校や病院や会社や工場や、それからデパートみたいな場所や商店街や住宅地や、とにかく人が暮らすのに必要なあらゆるものが、このニッチェにはあるらしかった。

 そしてぼくが飽きることなくそれらの本を読んでいると、いつのまにか何時間かが過ぎ、また女の子がやって来た。

「いっぱい本読んだ?」
「うん!」
「じゃ、約束どおり海へ行こう」

 それからぼくらはエレベーターに乗り、さらに五十の階を下って、エレベーターを出ると目の前に砂浜があり、その向こうに海が見えた。
 だけどよく見るとその海は百メートルくらいの沖までしかなく、その向こうには青く塗られた壁のようなものがあり、きっとそれは「空」で、そこには白い雲も書いてあった。それから砂浜にはヤシや松の木なんかが植わっていた。
 そして砂浜にイカした岩があり、ぼくらはそれに並んで座り、話をした。

「ここは地球の海そっくりに作ってあるの。地球から来た人たちが地球の砂浜や、海辺の様子を再現して作ったの。ずいぶん昔のこと」
「そうなんだ。ここって素敵な場所だよ」
「そうね。私もここ大好き。それで、ここはニッチェのいちばん下の部分にあるの。ニッチェは球形で、その底の丸い部分に水が貯められているの」
「それ、さっき図書館の本で読んだよ。だけどここって地球の浜辺にすごく似ているよ。本当にきれいに作ってあるよ」
「だけど私、本物の、地球にある本物の海が見てみたい。空も太陽も、月も星も、それに雨も」
「雨?」
「ここでは雨は降らないの。雪も降らないし。私、雪景色も見てみたい」
「雪景色か。きれいだよね」
「そうでしょう。だけどニッチェの中って、何だか箱庭みたいな場所でしょ?」
「そうかもしれないけれど、だけど、だけどここには戦争もないし災害もないし、飢えて死んでしまう人もいないし。それも図書館で読んだ!」
「そうね。それはここの良いところかもね」
「地球だったら大変な目に遭っている人もたくさんいるし」
「そうよね…」
「だから本当はどっちがいい場所なのか、分からないよ」
「そうね。地球とニッチェを較べてもしょうがないか」
「だけど行ってみたいだろう? 地球」
「行ってみたいな。ねえ、ところで今日は図書館で、ほかにどんな本を読んだの?」
「いろいろだけど、地球の未来のことかな」
「未来のこと?」
「うん。未来のこと」

 それからぼくは何日か、その図書館でいろんな本を読みあさった。
 アインシュタインもきっとぼくみたいに沢山の本を読んだのだろうと、ぼくは思った。そして何故かぼくは、地球の未来のことが知りたかったんだ。
 それでぼくは一日中図書館で本を読んで、夕方には女の子が来て、それからあの海へ行っていろんな話をして…、それから数日後。

 ぼくは地球の未来の、とても大変な出来事を知ってしまったんだ。
 そしてそれを止めないと、地球は大変なことになる…

「やっぱりぼくは地球に帰らなければ」
 それを知った日の夕方。女の子がぼくの所に来て、それから海へ行って、そしてぼくは彼女にその話をした。

「地球の未来の、あの出来事を知ったのね」
「うん…」
「だからそれを止めないといけないんでしょ?」
「そうだよ。だからぼくは地球に帰らないと…」
「そうよ。絶対に、帰らないといけないよね」
 
 だけどその翌日、何故か女の子は来なかった。
 それで図書館で本を読み終えると、ぼくは一人で海へ行った。
 いつもいっしょに座ったイカした岩に、ぼくは一人寂しく座り、海を見た。

 そして次の日も女の子は来なかった。
 そのまた次の日も。
 だけどぼくは毎日図書館で本を読み終えると、夕方には海へ行った。
 そして一人岩に座り、ぼくは考えた。

(あの女の子はどうしたんだろう? もしかして、地球に行けたのかな…)
 ぼくはぼんやりと、そんなことを考えた。

 それからぼくが何となく、本当に何となく、近くにあったヤシの木を見ると、根元の所に穴が見えた。
 それはお父さんとウサギの公園でキャッチボールしたときに見た、あのカシの木の根元にあった穴とそっくりだった。
(もしかして…)

 それからぼくはそのヤシの木の根元に近づき、勇気を出してその穴に手を入れた。
 するとぼくは吸い込まれて、それからぼくは、物凄いスピードで光のトンネルのようなところを通り抜け…

 そして気が付いたら、ぼくはウサギの公園の坂を下った、カシの木の根元で四つんばいになっていた。
 目の前にはボールが落ちていて、ぼくはそれを拾うと立ち上がり、後ろを振り返るとそこにはお父さんが立っていた。

「ボールはこんなところまで転がっていたのか?」
「ねえお父さん。ぼく、木星へ行っていたんだよ」
「木星? そりゃまたずいぶん遠くまでボールを拾いに行ったもんだな。俺の肩もすてたもんじゃないな」

 それからしばらく、ぼくはお父さんとキャッチボールの続きをして、それから家へ帰ってご飯を食べて、みんなでテレビを見て、風呂に入って寝た。
 それから布団の中でぼくは考えた。

(あの女の子は地球に来たのかな? もしかして両親も一緒に地球へ帰ったのかも知れないし、この地球のどこかで、家族で幸せに暮らしているのかも知れない。いや、きっとそうだ。そうに違いない…)
 ぼくはそんなことを考えた。
 そしてぼくにはそんな予感があった。
 いや、確信があった。

 そしてもしそうだとしたら、ぼくはまた地球のどこかであの女の子に逢えるかも知れない。
 いや、きっと逢える。
 ぼくはそう信じている。
 そしてもし逢えたら、地球の未来のあの出来事を、ぼくはあの女の子と力を合わせて止めたいんだ。
 
 その出来事はぼくが大人になった頃に起こる。
 人類は性懲りもなく、同じ過ちを繰り返すんだ。

 だからぼくが大人になるまでに、ぼくは立派な人間になって、そしてその出来事を止めないといけないんだ。
 地球の未来のために。
 あの女の子と力を合わせて。
 今度いつ逢えるのか、ぼくには分からないけれど…

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