交響曲

文字数 7,950文字

「ああ、それでしたら、ええと、交響曲第一から第九までのセットで、え~、新作が御座いますよ。予約受付中で、9枚セットで二万七千円です。演奏も録音も抜群ですよ♪」
「ああ、それいいですね。じゃ、お願いします!」
「いつもありがとうございます」
「それじゃいつものように、早速、ええと、代金振り込みますね」
「はい。かしこまりました。それでは入荷次第発送させていただきます♪」
 とまあこんな感じで、いつものレコード屋さんからレコードを買った。
 レコード屋…、すっかり死語と化したかというと案外そうではなく、レコードを愛好する人は絶滅危惧種なんかでは全ぇ~然なく、実際結構いて、だからそこに市場がある限り、こんな商売が成り立つのだ。
 だからレコード屋というのは、都会では今でもしっかり存在しているし、私みたいに地方に住んでいても、こうやって通信販売で、いろんなレコードを入手できる。
 何故にレコードかというと、それはCDよりずっと音が良いからで、ただしそのことが分かるためには、ある程度のレベルのレコード再生装置を含んだオーディオ機器を必要とする。
 それから、「レコードは音が柔らかくていい」という人が結構いるが、それは再生装置が貧弱で、音がぼやけているからで、きちんとしたレコード再生装置なら、レコードはきちんとシャープで、そしてリアルな音を出せる。
 それから、音が悪いのはCDであって、最近の「ハイレゾ」で、きちんとマスタリング(制作:音の調節)がなされた音源なら、レコードを上回る音がする。言い換えると、問題はCDの規格にあるのだ。つまりあまりにも情報量が少ないのだ。
 その一方、レコードならではという「味わい」もある。
 例えば私のコレクションの一つに1958年録音のベーム指揮の「七番」(ベルリン、イエスキリスト教会にて収録)というのがあるが、何というか「いぶし銀」の味わいなのだ。
 で、レコードがどれほどの音がするか、ええと、聴きたければあなたも私の家へくるといい。
 いくらでも聴かせてあげるよ♪♪♪
 だけどこの物語はオーディオのブログではないので、レコードvsCDみたいな議論はもうやめる。CDの音は最高だ! という人の脳内に土足で立ち入るつもりは毛頭ないし。

 さて、私はどんなジャンルの音楽も好きだけど、元々ロック、フォーク、ジャズが好きで、古いレコードで聴いたりしていたが、ある日、グレンミラーのコンサートへ行き、生の音に感動し、それから自分の家のオーディオで、このコンサートのサウンドが完璧に実現できないかと考え始めたのだ。
 それで、愛用のJBLのスピーカーを魔改造し、サブウーファーやミッドレンジやスーパートゥウィーターで武装し、もちろんそれに伴うユニット交換、追加、ネットワーク交換、スピーカーボックスの補強や防振処理、各楽器に合わせてアッテネーターでの音の微調整等々をやり、それからレコードプレーヤー関係では、ラインコンタクト針のMCカートリッジとか、昇圧トランスとか、トーンアームの防振処理とか、マニアックなことをごちゃごちゃといろいろやって、それから古いレコードのクリーニング方法も確立し…、ええと、詳しい話はさておき、で、とてもいい音になったのだ。
 ともかく!本当にもうぶったまげるくらいのリアルなサウンドが実現できるようになった。
 まあそれはそれでいい。

 で、実は私は、数年前にすでにタイムマシンを完成しているのだ。
(本当だって!)
 しかも「どこでもドア」みたいな機能も付いていて、それが同時に作用する。
 つまりこれは、「行きたい時代の行きたい場所」へと、移動できるというわけだ。
 とにかくそんなものが作れるほど、私は機械に詳しいのだ。
 だから超リアルサウンドのステレオくらい…
 さて、ビッグバンドジャズ好きがどうして交響曲?
 それはまあ、クラシックもたまにはいいかと、気まぐれでベルリンフィルの演奏する、とある交響曲のレコードを買い、その超リアルサウンドのステレオで聴いてぶったまげたのだ。
 それにしても私は、われながら恐ろしいオーディオシステムを作ったものだ。
「べべべ…、ベルリンフィルが目の前で演奏してるよ!!」と、思わず私はつぶやいた。
 とにかくぶったまげたのだ。
 超一流のオーケストラで使っているヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルン、トランペット等々、彼らは本当に上等な楽器を使っているのだなと感心した。
 しかも、当たり前だけど、豪快に演奏が上手い!
 さすが世界最高の精鋭たちだ。
 それともう一つ。
 クラシック、特に交響曲は演奏者各々が、各パートでどういう演奏をしているかが分からないと、つまりそれが分かるような「解像力」を持ったオーディオシステムで聞かなければ、本当の良さは分からない。
 そしてそれが分かると、作曲者がどれほど超人的かつ緻密に編曲し、オーケストラ各楽器の音を「紡いでいる」かがわかる。
 それは驚異の世界なのだ!
 ともあれそういう経緯を経て、私は交響曲にはまった。
 そして「リアルサウンド」のステレオで、飽きることなく聴き込んだ。
 そしてその一群の交響曲を作曲したのは、とある歴史的巨匠。
 で、それまでに私は交響曲第一、第三、第五、第六と、中古レコードを集めたのだけど、どうせならその巨匠の作曲した交響曲、全9作の全集を買おうと思ったわけ。
 それが冒頭のレコード屋さんとの電話である。
 ところで、その歴史的巨匠は、残念ながら若くして耳を悪くしてしまったらしい。
 それは歴史的に有名な話だ。
 しかもその耳の病気は「耳硬化症」というものらしく、現在の医学なら、比較的簡単に手術で治る。
 ところで、私は愛宕胃腸科という医院を開業している。
 そこの地下に実験室があり、主にタイムマシンの研究をし、すでに完成していたが、同時にその地下の一角にオーディオルームを作り、そのリアルサウンドで交響曲を楽しんでいたという訳だ。
 で、その歴史的巨匠の耳のことだが、治療をしてあげたいのは山々だが、残念ながら私は耳鼻科医ではない。
 だけど大学の同級生に耳鼻科の名医がいる。
 だったらそいつに頼めばいい!
 何を? もちろん手術!
 だけどその歴史的巨匠をどうやってそこへ連れていくかって?
 しかも過去の人を…
 だからぁ、さっき言ったじゃないですか。
 私はすでにタイムマシンを完成しているって! 
 しかも「どこでもドア機能」付きですぞ!
 ところで、前の話でN先生の所へは行けなくなったものの、それ以外の所なら、タイムマシンは作動できると分かったので、念のため記しておきますぞ。
 で、タイムマシンでその巨匠の生きていた時代の、とある場所に突然出現するのだけど、タイムマシンは、その時代に存在する乗り物の形をしていなければいけない。
 そこは19世紀当初のヨーロッパ。
 それで調べてみると、その時代、パフィング・デヴィル号という蒸気自動車が完成している。
 これだ!
 それで今回は、タイムマシンを「タイム蒸気自動車風」にすることにした。
 もちろん動力源は電気だけど、バッテリーやモーターは隠してあり、馬車風の外観に仕上げ、煙突も付け、加湿器を改造してそこから湯気が出るように細工した。
 ともあれ、タイム蒸気自動車!
 その歴史的巨匠を迎えに、タイム蒸気自動車で出発!

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 さて、タイム蒸気自動車が着いたのは、時は19世紀初頭の、所はドイツのとある田舎町。
 PCでいろいろと歴史的なことを調べ、それから最適と考えたこの時代、この場所を選び、ここへやってきたという訳だ。
 きて、そこへ着いてから、私はここの地元の人たちに、いろいろ訊いて回った。
 ところで、幸い私は、ずいぶん以前からドイツ語が(も)趣味だったので随分勉強している。何たって学生時代、ドイツ語の通訳のバイトもやったことがあるくらいなのだ。
 まあそれはいいが、そういうわけで地元の人たちとの会話もさして不自由ではなかった。
 ただし、ドイツ語は昔風だし、田舎の方言が凄かったけれど。
 それから地元の人たちの話を参考に、その方がよく散歩するという、小川のほとりにある、とあるきれいな田舎道の傍らに、タイム蒸気自動車を止めた。
 周囲は美しい自然。遠くに見えるヨーロッパの山並みが美しい。
 そして、そこで私がしばらく待っていると、中肉中背で、やや髪の長い、少しがっしりした感じの、30歳くらいの男の人が、ややうつむきかげんに、少しだけ怖そうな顔をして歩いてきた。
 その雰囲気から、その人はきっと作曲のことで構想を練りながら歩いていたのだろうと思った。私もタイムマシンの構想を練りながら散歩をするときなんかは、ちょうどこういう感じで歩くし。
 ともあれ私は、きっと彼こそが「その人」だと思い、思い切って彼に話しかけてみた。
"Entschuldigung. Sind Sie Herr Ludwig van Be…"
 するとその人は立ち止まり、ゆっくりと視線を上げ、手を耳に当て、
"Was haben Sie gesagt?" と訊き返してきた。
 それはとても鋭い、あの人の目だった。
 だからそのとき私は、やっぱりその人だと確信した。
 それからその人はその目で私を見て、だけどそれから少しして、その人の目が少し優しくなり、そしてこう言った。
 それで、ここからのその人との会話は日本語にしましょうね。
「たしかに。おっしゃるとおり私は…、そうです」
 そしてそう言うと、その人は少し微笑んだ。
 それからその人は、いかにも好奇心旺盛な顔をして、私にこう言った。
「もしやあなたは…、あなたは、発明家なのですか? するとあの蒸気自動車は、あなたが作られたのですか?」
 それで私は「そうです」と答え、それからその人にこう言った。
「実は、私は発明家で、そして医者なのですが、私の親しい医者で、あなたの耳を治すことのできる人がいるのです」
「私の耳を? 私の耳があまり聴こえないなどどいうことを、あなたはどうしてご存知なのですか?」
「実は私は…、信じてもらえないかもしれませんが、実は私は、遠い未来からやってきたのです」
「遠い未来から?」
「私が発明した蒸気自動車は、時を越えることが出来ます。そして私は、あなたのことを歴史で知っています」
「歴史で…、私のことを? 私が歴史に残るのですか?」
「そうです。あなたは偉大な人です。だけどあなたの耳は、これからどんどん悪くなる。とにかく私は、そのことを歴史で知っているのです」
「…たしかにおっしゃるとおり、私の耳はだんだんと聴こえなくなっています。それは誰にも言っていないのに、それにも拘らず、あなたはそれを知っておれれる」
「やっぱりそうでしたか」
「そしてあなたは、遠い未来から来られたのですね」
「そうです」
「時を越えるあの蒸気自動車で?」
「そうです!」
「そうですか。だから私の耳が…」

 それからその人はうつむき、しばらく考え込んだ。
 だけどそれから顔を上げ、少し生き生きとした目で私を見て、そして言った。
「…お見受けしたところ、私には、あなたが物凄い能力のある方のように見えます。そしてあなたは、決して嘘をつくような方ではないと分かります。そしてそれは私の直感です」
「それは光栄です」
「いいですよ。たしかに私の耳は、だんだん聴こえなくなっているし、だからその、私の耳を治せるという、未来のお医者さんのところへ、私を連れて行ってください。私はあなたの言うことを信じましょう。あの蒸気自動車で、私を未来へ連れて行ってくれるのですね」
 それからタイムマシン作動…

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 それからタイム蒸気自動車は私の医院の地下の実験室に着いた。
「どうぞお降りください」
「ここは?」
「あなたのおられた時代から、200年あまり未来の世界です」
「200年あまり? それは驚きだ!」
「この蒸気自動車は、時を越えることが出来ると申し上げました」
「たしかに、そう言われましたね。それでは200年後の未来の進んだ医学で、私の耳を治療していただけると?」
「もちろん!」

 翌日、私はその人を、友人の耳鼻科医の勤める病院へ連れて行った。
 もちろん蒸気自動車なんかではなく、私のありふれたセダンで、それからいくらなんでも19世紀の出で立ちでは都合が悪いので、私が適当に服を見繕った。
 それともちろん、予め友人の耳鼻科医にも連絡していて、しっかり手術等の予定も組んでいてもらっていた。
 それで病院へ着き、それから検査も無事終わり、やはりその人は耳硬化症で、手術の良い適応だということになった。
 耳硬化症とは、耳の中の中耳という場所にある「あぶみ骨」という骨が固くなり固着する病気で、手術ではそのあぶみ骨を人工骨に取り換えるというものだ。これで鼓膜に伝わった音が内耳までスムーズに伝わるようになり、聴力が回復する。
 それでその日、その人は個室に入院した。
 それからその病院の医局で、私は友人の耳鼻科医と少し話をした。
 彼は驚いた顔で言った。
「おい! あの外人は一体誰なんだ? ドイツ語ばかりしゃべるし、それにあの風貌。もしかして、ベ…」
 それで私は、あわてて彼の言葉を遮った。
「黙れ! これは極秘任務なんだ!」
「おまえ、やっぱりタイムマシンを完成していたのか?」
「ノーコメント!」
「まあいいよ。だったらもしかして、もしかして俺も、音楽の歴史に多少は貢献出来るんだな!」
「君がそう思いたければ、勝手にそう思えばいいさ」

 さて、それから一週間ほど。
 手術も無事終わり、その人は退院し、私の平凡なセダンで私のところへと戻った。
「ありがとうございました。あなたと、あのお医者さんのおかげで、私の耳は本当によく聴こえるようになりました。本当に感謝いたします」
「よかったですね。それじゃあと何日か、私のところで静養して、それからあの蒸気自動車であなたの時代へお送りしましょう」
 それから数日間、私はその人といろんな話しをした。
 まず見せてあげたのは、私の作った(魔改造した)ステレオシステム。
 その人はレコードを眺めながら、「こんな黒い円盤に音楽が刻まれているのですか。信じられない」と、感心していた。
「ここにはあなたの作曲された交響曲も、いくつか置いてあります」
「そうですか。私がこれからどれくらいの曲を書くのか、私にも分からない。だけど、もしかして、私はそれは聴かない方が、私にとっては…」
「そうかもしれません。それはあなたの、あなたにとっての未来に、大きな影響を与えてしまいかねない」
「大きな影響…、ですね」
「もしあなたがそれを聴いてしまえば、あなたは苦も無くそれらを書いてしまうかも知れない。だけどあなたは、これから大変な苦労をされて、残りの交響曲を書くことになると思います」
「そうですね。大変な苦労ですね。だけど私がいい曲を書くためには、やはり私はこれから苦労しなければならない。そして、苦労して、苦しんで苦しんで、そして私の思いを交響曲にぶつけなければ…、それは私に課せられた使命、いや、それは運命だと自覚しています」
「そうですね。まさに運命ですね。だけどもしかして…、ええと、既に完成され、発表もされた交響曲第一番なら、お聴きいただいても差し支えないのでは? この時代の演奏家がどのような演奏をしているのか、あなたにお聴きかせしたい気もしますし」
「そうですね。それはぜひ」
「これは、1961年にベルリンのイエスキリスト教会で録音されたものです」
「1961年ですか…、私には想像も出来ない遠い未来です。ところで、『録音』とは?」
「演奏を記録するのです」
「そうですか。それでこの黒い円盤に記録したのですね」
「ですから私たちはこの円盤のことを記録(レコード)と呼ぶのです」
記録(レコード)…、ですね」
 私はそう言ってから、カラヤン指揮、ベルリンフィルの交響曲第一番のレコードをかけた。
 ベルリンフィルの「黒光りする」名演が、私のオーディオルームに響き渡った。

 聴き終えて、その人は、
「私が楽譜に書いたから、この曲は後の時代にも残り、その時代その時代の人々が演奏してくれているのですね。そして私より後の時代の人々は、その時代なりに私の曲を解釈をし、演奏してくれているのですね。そしてこの指揮者はとても軽快にオーケストラを引っぱっておられる。きっと天才的な方です。そして素晴らしい演奏です」
「そう言っていただくと、この時代に住む私としては、とても光栄です」
「ところで、この演奏を再現する機械は、あなたが発明されたのですか?」
「いいえ、私よりずっと前の時代に発明されたのです。だけど私は丹精こめてこの装置を組み上げたのです」
「これはすばらしい音です。まるで目の前でオーケストラが演奏しているかのようだ。それに私の耳もよく聞こえるので、この演奏をとても楽しむことが出来ました」
「そうですか。それはよかった」
「ところでこの機械は、誰でも持つことができるのですね?」
「そうです。だから今では多くの家庭で、いろんな演奏を聴くことが出来るのです」
「それはすばらしい。実は私は、音楽とは貴族など、一部の人々だけのものであってはいけないと、ずっと思っていました。多くの民衆が、それはたとえ貧しい人々であったとしても、誰でもが楽しめるものでないといけないと、私は考えているのです。だけど演奏を目の前で聴ける人は限られている。だからこのような機械を発明された人に、私は感謝しなければいけないですね…」

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 数日後、私はその人を「タイム蒸気自動車」で、その人と最初に出会った日時、場所へと連れて行った。
「本当にお世話になりました。おかげさまで魔法のように耳もよく聴こえるようになりました」
「本当に良かったですね」
「それと、あの音楽を演奏する機械があれば、どんな人でも、どんな時代の人でも、私の作った曲を聴いてもらえるのですね。私だけではない。私の周りにいるいろんな音楽家たちの曲も…」
「そうです!」
「それはとても嬉しいことです。だから、これから私は、本当に頑張らないといけない。これから、もっともっと、たくさんの曲を書いて残さなければ。そしてそれらがたくさんの記録(レコード)になったらいいですね!」
「Bitte geben Sie Ihr Bestes!」
「Vielen Dank!」
「Bitte gut ausgeben」
「Ja!」
「So, Auf wiedersehen!」

 それからその人と別れて、タイム蒸気自動車で現代の私の家へ戻り、一休みしていると、突然、電話が鳴った。
 電話の主は、件のレコード屋さんだった。
「もしもし、あの…、大変申し訳ありませんが、先日ご注文頂いた交響曲全集のことですが、私、もしかして第一から第九までで、全9枚と申し上げていませんでしたか? どうして私はあんなことを申し上げたのでしょうね。私はどうかしていました。交響曲は第一から第十八までですよね。これ常識です! ですから全部で18枚セットになりますよね。たくさんのレコードをお買い上げいただき、本当にありがとう御座います。それで、料金ですが、合計で、ええと、ええと、5万4千円でした! 大変恐縮ですが、不足分をお振込み頂ければ…」

 交響曲 完
 私の愛する楽聖に捧げる
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