落ちていく宇宙

文字数 362文字

 われわれの住んでいるこの宇宙は、全体で一つの「分子」なのかもしれない。
 それはわれわれの住んでいるよりもさらに大きな宇宙の中の、たった一つの「分子」かも知れないのだ。
 そしてその宇宙よりもさらに大きな宇宙の中では、その宇宙もやはりただの一つの「分子」なのかも知れない。
 そしてそれよりさらに大きな宇宙では…
 
 中学生の頃だったか僕が友達にそんな話をしたら、その友達はこう言った。
「俺達のいる宇宙が大きな宇宙の中の一つの分子だとすると、その分子は大きな宇宙の人間が出したばかりのウンチの中の、たった一つの『分子』かも知れんね。そしてそのウンチは今まさに落下中で…ええと、それからその大きな宇宙ではきっと時の流れの速さが違うだろうから、もしかしてそのウンチがドスンと落ちる前に、俺達は死んでしまうのかも知れんね」
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