出来損ないのタイムマシン(バージョンD)
文字数 1,718文字
最初に但し書き。
ネットをさまよい、たまたま、そして初めてこの作品に到達された方は、まずは前の各バージョンをお読みいただきたい。
いや、全部読むのめんどくせえ! という方は最初の「出来損ないのタイムマシン1」だけで結構。
それも「ペットサークルでの実験失敗」まででも結構。
それじゃここから主人公の「俺」に語ってもらいましょう。
ええと、それでストーリーはやはり「ペットサークル実験失敗直後」から始まります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そういうわけで俺は豪快に落ち込んだ。何十年も研究した成果が出来損ない…
それで俺は自分の部屋でふて寝を決め込んだのだが、夢の中で仙人のような白髪で長い髭を生やし、袈裟のようなものを着た胡散臭い魔人が出てきて、俺にこう言ったのだ。
「さすれば、タイムマシンの電源をプラスマイナス逆に繋ぐとよかろう。はははははははは…」
で、そこでどしゃんと目が覚めた俺はペットサークルのところへ戻り、その魔人の言うようにタイムマシンの電源を逆に接続し、早速実験をやろうとしたのだが、そこで思い留まり、しばし物理的な思索にふけった。
そもそも電源のプラスマイナスを逆に繋ぐということは、理論的にはペットサークルの「中」と「外」が逆転する筈だ。
つまりペットサークルが外部のある時間に留まる…の反対で、外部がペットサークルのある時間に留まるのだ!
そうすると「外部」は「勝手に」ある時間に留まる訳だけど、ペットサークルの中はそれと無関係に時が過ぎる。
外部は「ある時」に留まり、ペットサークルの中は「それじゃお先に♪」ってな具合に時が過ぎる。
(これって未来行きタイムマシンじゃないか! しかも一方通行だ!)
そのとき俺は、そのことに気付き、ともかく実験を保留した。
下手をすると、一瞬にしてとんでもない遠い未来に連れて行かれるからだ。
危ない危ない!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここで再び但し書き。
ええと、実はこのパターンは、例えるなら2番目に書いた話での「寝具」と、真逆の現象になるのです。
寝具の話で、「外部時間0分で10時間眠れる」という話を書きましたが、これこそが出来損ないのタイムマシンの作用で、「外部時間」は理論上「ゼロ」で、ペットサークル内は10時間の時が過ぎるのです。
で、この出来損ないのタイムマシンのプラスマイナスを逆に繋ぐという行為は、この逆になります。
つまりペットサークル内は0分でも外部時間は無限大となるわけです。
これは何を意味するか?
それでは再び主人公の「俺」に語ってもらいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ともあれこれでは出来損ないのタイムマシンパートIIだ!
一瞬にして遠い未来へ連れて行かれかねない。
とても危険なタイムマシン!
それで俺は再び落ち込んで、件の要らぬアドバイスをした魔人にばかやろう! と、心の中でわめいてからもう一度ふて寝をした。
だけどそれからしばらくして、俺にとんでもない不幸が襲ったのだ。
何となく体調が悪く、で、病院に行ったら俺が不治の病だということが判明したのだ。
先生の話では、予測される余命はあと数ヶ月らしい。
だけど先生は「あきらめずに治療しましょう。医学はどんどん進歩しているから…」とも言ってくれたのだ。
それから俺は家へ帰り、いろいろ家族と相談した。
そのとき俺の脳裏には、先生が言った「医学はどんどん進歩しているから…」という言葉が残っていた。
そして最終的に俺は決心した。
それから程なく俺は、家の周囲の金属製のフェンスに、出来損ないのタイムマシンを、プラスマイナス逆に接続した。
そして一瞬だけタイムマシンを作動させることにしたのだ。
それでどのくらいの未来に行くのかは分からない。
数十年後か、数百年後か、はたまた数万年後か。
だけど俺は不治の病を患っている。
だから家族みんなで、この家ごと遠い未来へ行く決心をしたのだ。
俺は夢の中で変なアドバイスをした、あの変な魔人に感謝している。
そしてこれから俺は、遠い未来へ旅立つのだ。
遠い未来の進んだ医学に期待して…
で、この話は次へと続きます。
ネットをさまよい、たまたま、そして初めてこの作品に到達された方は、まずは前の各バージョンをお読みいただきたい。
いや、全部読むのめんどくせえ! という方は最初の「出来損ないのタイムマシン1」だけで結構。
それも「ペットサークルでの実験失敗」まででも結構。
それじゃここから主人公の「俺」に語ってもらいましょう。
ええと、それでストーリーはやはり「ペットサークル実験失敗直後」から始まります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そういうわけで俺は豪快に落ち込んだ。何十年も研究した成果が出来損ない…
それで俺は自分の部屋でふて寝を決め込んだのだが、夢の中で仙人のような白髪で長い髭を生やし、袈裟のようなものを着た胡散臭い魔人が出てきて、俺にこう言ったのだ。
「さすれば、タイムマシンの電源をプラスマイナス逆に繋ぐとよかろう。はははははははは…」
で、そこでどしゃんと目が覚めた俺はペットサークルのところへ戻り、その魔人の言うようにタイムマシンの電源を逆に接続し、早速実験をやろうとしたのだが、そこで思い留まり、しばし物理的な思索にふけった。
そもそも電源のプラスマイナスを逆に繋ぐということは、理論的にはペットサークルの「中」と「外」が逆転する筈だ。
つまりペットサークルが外部のある時間に留まる…の反対で、外部がペットサークルのある時間に留まるのだ!
そうすると「外部」は「勝手に」ある時間に留まる訳だけど、ペットサークルの中はそれと無関係に時が過ぎる。
外部は「ある時」に留まり、ペットサークルの中は「それじゃお先に♪」ってな具合に時が過ぎる。
(これって未来行きタイムマシンじゃないか! しかも一方通行だ!)
そのとき俺は、そのことに気付き、ともかく実験を保留した。
下手をすると、一瞬にしてとんでもない遠い未来に連れて行かれるからだ。
危ない危ない!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここで再び但し書き。
ええと、実はこのパターンは、例えるなら2番目に書いた話での「寝具」と、真逆の現象になるのです。
寝具の話で、「外部時間0分で10時間眠れる」という話を書きましたが、これこそが出来損ないのタイムマシンの作用で、「外部時間」は理論上「ゼロ」で、ペットサークル内は10時間の時が過ぎるのです。
で、この出来損ないのタイムマシンのプラスマイナスを逆に繋ぐという行為は、この逆になります。
つまりペットサークル内は0分でも外部時間は無限大となるわけです。
これは何を意味するか?
それでは再び主人公の「俺」に語ってもらいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ともあれこれでは出来損ないのタイムマシンパートIIだ!
一瞬にして遠い未来へ連れて行かれかねない。
とても危険なタイムマシン!
それで俺は再び落ち込んで、件の要らぬアドバイスをした魔人にばかやろう! と、心の中でわめいてからもう一度ふて寝をした。
だけどそれからしばらくして、俺にとんでもない不幸が襲ったのだ。
何となく体調が悪く、で、病院に行ったら俺が不治の病だということが判明したのだ。
先生の話では、予測される余命はあと数ヶ月らしい。
だけど先生は「あきらめずに治療しましょう。医学はどんどん進歩しているから…」とも言ってくれたのだ。
それから俺は家へ帰り、いろいろ家族と相談した。
そのとき俺の脳裏には、先生が言った「医学はどんどん進歩しているから…」という言葉が残っていた。
そして最終的に俺は決心した。
それから程なく俺は、家の周囲の金属製のフェンスに、出来損ないのタイムマシンを、プラスマイナス逆に接続した。
そして一瞬だけタイムマシンを作動させることにしたのだ。
それでどのくらいの未来に行くのかは分からない。
数十年後か、数百年後か、はたまた数万年後か。
だけど俺は不治の病を患っている。
だから家族みんなで、この家ごと遠い未来へ行く決心をしたのだ。
俺は夢の中で変なアドバイスをした、あの変な魔人に感謝している。
そしてこれから俺は、遠い未来へ旅立つのだ。
遠い未来の進んだ医学に期待して…
で、この話は次へと続きます。