春の宵
文字数 238文字
縊木を 嗤う鴉や 春の宵
<解説>
こちらも俳句をテーマにした小説の中で、親友を失ったヒロインが詠んだという設定の句です。
親友が吊り下がった縊木に、カラスが群がっていて、あたかも嘲笑しているかのようだ。
それは個を蹂躙する社会の縮図であるがごとく。
その光景に春の宵が重なり、二重の意味で終焉 を示唆しているかのよう。
われながらヘビーな内容ですが、こんな句を詠んだヒロインが、仲間たちとの交流を経て、さらにどんな句を詠むのか。
それが目下、構想中の小説の課題となっています。
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