臥待
文字数 228文字
臥待の 月に追わるる 辻の怪
<解説>
「辻神」という妖怪の伝承があるように、辻=十字路、四つ角には、魔が宿ると古来よりいわれます。
臥待の月を見ようと外に出たが、雲が少しかかっている。
ひょいと向こうの十字路のほうに目をやると、なにやら人影が。
なんだか背筋が寒くなってきたところに、雲がどけて、臥待月が輝きました。
すると、あれ、四つ角の人影は、月を見ていたほんの少しの間に、消え失せている。
逆にこわくなりつつ、もうしばらく、臥待の月を眺めていました。
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