断頭台

文字数 324文字

ギロチンに (たた)()とさる 虻二匹(あぶにひき)

<解説>

 わたしの田舎は山と海に囲まれた地形のせいか、夏場はとにかくアブが多いのです。

 車の運転中に窓でも開けようものなら、高確率で侵入してきます。

 気づかないうちに車中(しゃちゅう)にアブの死骸(しがい)があったなどということもよくあります。

 夕方のことでしたが、所用で外出したんです。

 車中ではBGMに、ベルリオーズの「幻想交響曲」をかけていました。

 第4楽章「断頭台への行進」の最後で、ギロチンが落ちる描写があるのですが、楽章の終わる頃、ちょうど家に到着しました。

 車から降りようとすると、フロントガラスとパネルの隙間(すきま)に、息絶えたアブを二匹も発見。

 「ギロチンにやられたかな?」と、アブには悪いですが、にっこりとしてしまった次第(しだい)です。
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