第105話 マイナンバーカード

文字数 758文字

 マイナンバーは何年も前から決まっていて確定申告の時には必須だ。
カードがないから、市役所で証明を取り、毎年その証明を利用していた。
馬の前に人参をぶら下げるようにして国は全国民にナンバーをつけようとした。
統括する方は何かと便利であろう。
嫌だいやだと反発していたが、そのうちに強制になるだろうからと人参を
食べることにした。
 しかし、色々難関があった。第一私はJCBのカードだけしかっていない。郵便局も
ゆめかも解約済みである。その上現金主義であるから、よほどのことでない限り
カードは使わない。
人参貰うぎりぎりの2月に申請は済ませていた。
受け取りに今日市役所へ行った。
JCBではポイントがつかないと言う職員に、少し難しいけどできなきことはないと
市役所の担当が電話で話した旨伝えた。
四苦八苦したけど、満足いく結果にはならなかった。
 仕方なく雨の中イオンへバスで回った。正規の道を通れば簡単に手続き出来たが、
カードがまた一枚増えたことになる。
2万円のポイントをもらおうとしたら、2万円の差し水(チャージ)がいる。
老婆にとって2万円は大金である。あゝ金儲けは大変である。
心して使わなくては。
 帰りのバスまで一時間の待ち時間がある。疲れた、もう待てないとタクシーを呼んだ。
 イオンが出店して3年にもなるだろうが、私は百貨店や大型店は好かない。
 タクシーにイオンのどこまでと言われて、待つ場所の指定に困った。それなら
宝くじ売り場と言われてOK。表通りに出た。つもりがそこは裏通りだった。
慣れぬ店内を右往左往して、人に聞いてやっと宝くじ売り場に着いた。
歳はとりたくないものよ。これだけのことに心臓がパクづいている。
それでも自分で動いて、考えて済ましたのだからよしとしよう。
 帰宅して、窓のレースのカーテンを開いた。心の靄も晴れたようだ。



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