第107話 GW

文字数 508文字

 GWの真っ只中5/2日。
リタイアの後、3度引き越しをしている。
その度に厄介なのは書籍である。
亡夫は本が好きで遺した本があるわ、あるわ。
娘が帰郷するたびに、古本屋さんへ持っていった。 
昔は買ってくれたが、近頃は買ってくれない。
そこで引き越しの度に古紙として処分していた。
その内、読もう、読むだろうと残した本はそのまま埃の中

 今日は弁当を持って本の整理に小屋へ行った。
こゝ30年の間に俳句、俳画、墨絵、気学、易学等の本、旅行先のパンフレット
再び開けない書籍とノートが無造作に小屋に積み上げてある。

ついページを捲る。
あゝこんなことも習ったなぁ。この時は、Sさんも健在だったなぁ。
写真が出てきた。あゝこゝにはマリコがいる。
なかなか片付けが進まない。小屋の中の温度計は27度。
クーラーをつけようとしたらリモコンがない。

 三時だ。こゝには何もない。喉が渇いた。
小屋の横には自動販売機があるが立ち上がるのもしんどい。

 タクシーを呼ばずに息子を呼んだ。
疲れ果てて這々の体で帰った。

 こんなはずではない。と思うばかりだ。
歳はとりたくないものよ。

世の中は、GWで浮かれているというのに、私はこの有様。
 そうだ。明日は温泉にでも行こう。





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