第108話 GWの最中

文字数 444文字

GWという中、私は今日も終活の只中。
色紙に描いた俳画が捨てきれない。
明日、ダンボールや本の回収日である。色紙である事を
人目につかぬように新聞紙に包んで出した。
先生のお手本も出てきた。やっぱり一眼見て違いがわかる。
もう数年お会いしてきないが、今年は95歳のはず、
懐かしい。緻密なばあさんにはそれなりに褒め、私のように
大まかな筆には、それ、それがいいよと褒めた。
俳画って、本当はどうなのと思ったものだ。

 四季を通して30枚を残した。
これで季節を先取りしよう。

 米寿の時ペンクラブで最優秀賞をとった賞状もできた。
表彰式の写真もあった。
当時を思い出して、胸を熱くしている。
88歳は若いなぁとしみじみ思う。

 息子のところで夕餉を馳走になった。私の部屋は昔のまゝ
山裾に存在している。
 こっちで寝ないのかという息子に
「こゝよりどうも我が家の方が寝心地がいいの」と
送ってもらった。 
雲の流れのように、嵐のように過ぎ去った過去。
集大成の小さい城を自分で崩してゆく。
やがて、全て無になるために。5/4日







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