第43話 グーの次、何出す

文字数 680文字

 「おめでとうございます」「おめでとうございます」
全員集合した。
「いいお正月でしたか」
「可もなく不可もなくです。元気なのがありがたいです」
「ところであなたは年末に雪見に行ったんだって」
「何日も雪の中にいるなんて私はむず痒くてできんわ」
「そんなことない。深々と降る雪を見ているだけで心も洗われるわ」
10人10色、貶されたり、羨ましがれたり、

 いざ本番。最初はグー、ジャンケンポン。
グーの次何を出しているか、考えてみた。無意識にまたグーかパーを出して
いることに気がついた。よーし今日はチョキを意識しよう。
女史は1対1になるとジャンケンが強い。
あれはきっと相手の心理を読んでいるのだろうと思われる。
ジャンケンに強い人は無意識を疎かにせず、相手の心の動きまで
読んでいるのではないかと思えてきた。
今年は真剣にジャンケンをしようと決めた。

 1回戦は小さい勝負を10回して集計、トータルで決定。
順位が決まったところで休憩。当番の差し入れたお菓子をいただく。
女史にはいつもお茶やコーヒー、ぜんざいの接待を受けて心苦しいが、
パーキングの関係もあり、発起人でもあり、女子に甘えている。

 今何が一番楽しいかと問われたら、間違いなく、最初はグーとこたえる。
90歳何がめでたいは古い。98歳。戦いやまず日は暮れずの佐藤愛子を見
習って生きる。書く。書くのは短編にし過ぎてネタが切れた。思い切り昔を 
書かざるを得ない。昔を書くほど老いた証と知りつつ、昔を書く。

 今年は幸先がいいぞ。1回戦は16点負けの4位。
2回戦は、33点勝の1位。1位を取ることは久しい。

 本日、天気晴朗にして波たかし。




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