30.《 繰り上がる日 》 2022/8/3
文字数 804文字
「サンデー毎日記 第二部 今日である」の根幹をなす思想(大仰だが)は、「病・老・死」を意識しながら今日を意義深く生きるというところにある。
科学的な背景として、日本人男性平均健康寿命が今年時点で72歳であり、僕も今年72歳に到達したことがあげられるかもしれない。
それ以上に僕の背中を押したのが、毎日生きていく中で「病・老・死」を身近に予感する瞬間が多くなったからだった。
僕はそんな兆候にひとつひとつ向き合って対応してきた、原則としては明るく前向きに抵抗し、そうできないときは潔く受け止めてきた。
僕は一人っ子である、兄弟がいない。
両親はともに長男長女だった、僕が生まれた時に(血縁の)叔父叔母伯父伯母(以下オジオバ)が6人いた。
比較する材料がないので憶測になるけれど、世間一般より僕はオジオバと親しかったと思っている。オジオバ達に声をかけられてよく遊んでもらった・・・大人になっても酒盛り、麻雀、ナイター観戦に誘われた。
今年2月父が亡くなった。
6月に叔母が亡くなり7月には伯父が亡くなった、オジオバが消えていく、現在は6人のうち一人だけになってしまった。
これまた他人と比較する資料がないのだが、おそらくは僕にとってオジオバ喪失の痛手は一般的なそれより大きいものだと感じている。何をいまさらいい年になって甘っちょろいことをいうものか・・・とも思うが、例えて言えば兄弟を失くしたような気持ちかもしれない(これも想像するしかないが)。
気が付けば見送るオジオバは残り一人になった、見送ると決めつけるのは僕の不遜ではあるが、いずれにしても順番は一気に繰り上がった。
そしてまた「今日である」の心に戻る。
繰り上がった順番を座して待つことはしない、もちろん順番を駆けあがるようになことも決してしないが。
改めて毎日が、意味ある役立つように生きていきたいと祈り、実践するだけである。
「今日である」の想いを今一度心に刻む、今日である。