97. 《 クマの日 》 2023/11/1

文字数 1,051文字



ツキノワグマは縄文時代から日本に生息していた。
後期縄文時代(紀元前15世紀ころ)日本人は貝塚を内陸部に移した。
パレスチナ人(ペリシテ人)は紀元前13世紀にパレスチナの地で文明を築いた。
イスラエル人(ユダヤ人)は紀元前10世紀にパレスチナの地に王国を築いた。
遥か遠き地球年代記の源からともに生き抜いてきた、ツキノワグマ、日本人、パレスチナ人、そしてユダヤ人。

10月某日 秋田県知事の会見をニュースで見た、クマ被害に対する厳しい姿勢が明白に表れていた、「クマは敵だ」と。
クマ駆除に必要な弾丸が高価だ、一発1000円だ、予算がない、お金が足りないというシーンが流れた。
知事の本音が奈辺にあるのかわからない、ただただ言葉の選択が適切ではなかっただけなのかとも思った。
しかし、ぼくは馬鹿馬鹿しいことに同じ時期2023年10月に持ち上がったパレスチナ・ハマスとイスラエルの戦闘を思い浮かべてしまった。

クマは人間をふいに襲い傷付け命まで奪う、だから許すことはできない、銃で始末する、弾をくれ。クマが可哀そうだ、駆除しないでと陳情することは業務妨害だ、もともとクマは山奥にいるものだ。

ハマスはテロリスト、突然侵入し多数の民間人を殺した、だから空爆で自衛する、もっと武器をくれ。パレスチナ人が可哀そうだというが、それは彼らの問題でありイスラエルのあずかり知らないことだ。

1948年イスラエル建国以来、パレスチナでは共存の解決策を模索しながら、現実にはイスラエルの実効支配が拡大し続けている。
そこには欧米主要国の強力な援助がある、バルフォア宣言(1917年)に代表される欧米独自の論理がイスラエルを支える。
現状ではパレスチナ国民を救済する道は全く見えてこない。

下北(秋田)でツキノワグマは「絶滅のおそれのある地域個体群」と、指定されている。
近年のドングリ大凶作、山林の変化、里山放棄、果樹放置、人間生活圏拡大、などの要因がクマと人の距離を縮めた。
絶滅種を駆除するのではなく、いかに人から遠ざけて生活させる策を実行するのが種の頂点にいる人間の役目だろう。
ミサイルを撃ち、戦車を進め、空爆し、敵対する者を排除するように、クマを絶滅種にすること勿れ。
何の手立てもなく傍観するだけの国家の争いはともかくも、せめてクマとの共存くらいは達成して欲しい。もしかしていつの日にか、国家、民族、宗教の争いを無くする道につながるかもしれないではないか。

仲良くしなくてもいい、殺し合う愚かさに気づいてほしい、「地には平和」を願う 今日である。
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