64. 《 ジェンダーの日 》 2023/3/15

文字数 1,231文字



「気候」という言葉はもともと単独で使用される場面がすくないが、近年あんまり芳しくない言葉とセットになることが多くなった。
気候変動、異常気候、気候不正義、気候限界、気候ストライキ、気候難民、どれもネガティブな意味合いを含んでいて、目にして愛おしくもなく、口端に上らせるのも疎ましいくらいである。

SNSのおかげで世界で生じている気候災害をリアルタイムで手元で確認できる毎日になった、大雨・洪水、強風・竜巻、高温・砂漠化、冷温・雪害、ありとあらゆる方向に気候が暴走し制御できないことが日常になり、いつの間にか「気候」の異常に驚くこともなく 他人事(ひとごと)だから我が身に関係のないこととして目を瞑り、ひとたび被害にあえば「未曾有の経験」として嘆き悲しむばかり、地球が必死で発信し、訴えている警告に気づかなかった無知をさらけ出している。
「今まで〇〇十年生きてるがこんなことははじめてだ!」発言者はほとんど老人であり男性が圧倒的に多い。
老人が多いのは仕方がないことだろう、もうあと長く生きる事もない未来のことは気にしない、ここまで運良く生き延びただけのことだから。
老人にとって、だから「気候」も運・不運で語られるもの、いまさら地球環境を守れと言われても一朝一夕でそんな思考に辿り着ける能力だって枯渇している。

一方で若者は違う、まだまだこれから長い人生を航海していかなければいけない、大切な母船である青い地球を守る必要がある。
気候ストライキを始めたのはスウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリ(当時15歳)さん、彼女の意思はその後 世界のティーンエイジャーに波及している。
グレタ・トゥーンベリーさんが若き女性であるように、世界の気候ストライキの担い手は女性が目立っているような印象が強い。もちろん気候問題に男女差などあろうはずもないとは思うが、もっと深いところにその根があるような気が最近してきた。

思い起こしたのが日本の神話、天照大御神(女神)が岩戸に隠れてしまったために、世界は闇に包まれてしまい数多の禍が生じたというあの神話である。
今地球が上げている悲鳴、もしかして天照大御神の悲鳴ではないか?
温暖化対策推進の声を上げ、政府に抗議する気候ストライキを実行したのは女性。
その一方で、女性というだけで差別され続け、いまだに男女格差解決の糸口が見つからないままの現状がある。

地球の気候をつかさどる神がいるとしたら、それは女神に違いない。
覇権大国に未だに生まれない女性政権、そして経済はじめ各分野では女性の進出が阻まれている。行き詰まった資本主義経済にしがみつく既存勢力、そこに巣くう男性優位システムを変えるところにしか、「気候」問題を解決できる望みはない。
地球の未来は女性の力にかかっている。

さてさて、
いつの日にか女性によって「気候」が安定し地球が救われた時、
2023年のある日「地球を女性の手に」とアジっていた老人で男性の僕がいたことを
思い出してほしいと願う、今日である。
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