24.《 Dの日 》  2020/6/29

文字数 796文字



Dとは団塊のD、団塊世代の僕はをこれから自らをD世代と称することにした。
「団塊世代」だと字面もサウンドもあまりに昭和っぽく、これじゃZ世代に馬鹿にされる。
ということで Z世代に肖ってのD世代だ。
このZ世代というのは、スマホをおしゃぶり代わりにして育ったとか、SNSで言葉を覚えたとかいうファクトフル乏しい情報もあるが、ネット、デジタル環境なしでは彼らZ世代を理解できないことくらいは承知している。
SNSで常に友人とコミュニケートできる、不明なものはネットから調べられる、リモートで授業が受けられる・・・ようなことが当たり前のように育った世代である。
方や D世代はというと携帯電話は科特隊(ウルトラマン)でしか見たこともなく、家電話すらなく、公衆電話で愛を告白したものだ。
児童数が多すぎて教室はいつも定員オーバー、同級生も名前を覚えきらないままクラス替え、図書館はあったがたいした本は置いてなかった、
小中高を通して多数の同学年生との競争が日常だったので、いつの間にか競争することが目的となり、教養面での不備を招いた。
受験戦争という恐ろしい名称の毎日を過ごす中、試験の技術だけを磨き上げた結果、画一思考・同質志向と無教養が融合し、質より数の世代となった。
しかし一方では、D世代に続く後からの世代に「数の脅威」を知らしめた・・・「赤信号、みんなで渡れば怖くない」はDのスローガンだった。

現在Dには72歳から75歳までの3学年相当が該当する、たった3学年の塊だけど高齢化コアとして思い切り福祉予算を食いつぶしていると疎まれている。
それもいつまで続くものやら、今Dの男性は日本の平均健康寿命(72歳)を超えた。
多数の横暴はこれからはあり得ない、年々Dが誇る数の有利は削がれていくばかり。
そして、いつか消滅する日、DはDeath のDになる。
Dデイを迎える「今日である日」は遠くはない、Zの衆ご安心あれ。
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