19.《 ナウイ日 》  2022/5/25

文字数 938文字



例1.
「オータニサン キュンデス」・・・メジャーリーグ中継でホームランに興奮してアナウンサーが叫んだ言葉。
例2.
「ドルが上がってキュンです、ドルが下がってシュンです」・・・投資のコマーシャルで年寄りが指でキュンする。

「キュンです」というキーワードを近頃よく耳にする。
テレビに登場する時点で、この手の流行り言葉はもうすでに鮮度は失われているのだろうが大谷選手のおかげで再びメジャ-になった。
二つの例から推測するまでもなく、本来「キュン」は強く感動して瞬間的に胸が締め付けられるように感動するさまである。
メジャーベースボール中継アナウンサーの年齢は不明だが、一方のCMで感動している人物は男女高齢者たちだ。鮮度のなくなった若者言葉を高齢者が使うギャップに潜むユーモアは高齢者蔑視につながる危険をはらむものだが、昔から広告業界では多用されてきた。
感動しすぎて胸がキュンして心臓停止にならないことを祈るばかりではある。

僕はといえば「キュンです」のような若者言葉を今後も使うことはないと思っている。
自らの行動パターンから見ても若者と会話することはまずない高齢者である、聞く機会がないのが第一。
TV・ラジオ・ネットで触れたとしても理解できないのが第二。
たまたま優しい孫などに取り扱いを教えてもらったとしても、覚えられないのが第三。

とはいっても、
「キュンです」と似たような言葉を僕は知っている。
「どきっ」や「ズッキューン」という言い方だともっと親和感が増す、以前どこかで使ったことがある(と思う)。
少しニュアンスが異なるが「アジャパー」は昭和を代表する感嘆句だった、さすがに今は使わないが。

流行語は時代につれ変遷してくるものだが、以前から広くあらゆる世代に使ってもらいたい感嘆語がある、それは「ナウい」だ。
もともとの意味はNOWから派生した、今流行っているという意味、見事にシンプルな装いである。
今では僕が「ナウい」と発言すると、「古くさっ」と非難されるが、ということはまだこの言葉自体は消え去っていない。
さすが団塊世代御用達の「ナウい」である。

実は「今日である」という哲学的な意味を平易に解きほぐすと
「ナウい」になるのではないか、と思っている。
「今日である」は「ナウいである」・・・・と。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み