108.《 アマゾン敗北の日 》 2024/1/17

文字数 2,082文字



アマゾンで本を注文し始めてからずいぶん時が流れた。
結果として本屋さんに立ち寄る愉しみは消えたが、中古本や貴重な資料や新刊予約などの便利な機能には抗うことはできなかった。
読書家が本屋さんを見放したという結果にはなったが、IT革命に伴う犠牲だと思っている。

そんな例は枚挙に暇がない、写植屋さん、写真プリント屋さん、文房具屋さん、どんどん街から消えていった。そのすべてにアマゾンが関わってくるのも哀しい事実だ。
本のネット販売でお付き合いを始めたアマゾンだったが、「あっ」という間に取扱商品が拡大し今では扱いのないジャンルがない。
直近の購買歴を見ても、スマホ充電ケーブル(398円)をプライム価格で購入し配達料金無料で翌日手にしている。

このプライム特典がアマゾンの魅力であり強い武器、ほとんどの商品アイテムに送料無料のプライム会員価格がある。
そう、年会費を支払うとこの特典が利用できる、そんなに買い物はしないという顧客にもプライムビデオが無料となるとまた話が違ってくる。
かくして、少なくともぼくはアマゾンの軍門に下った、メインのクレジットカードもアマゾンカードという徹底ぶりである。

アマゾン独自のアルゴリズムプログラムで、お好みの小説を推薦してくれるし、贔屓作家の新刊も案内してくれる。複数購買アイテムをサーチしては次回の注文を促してくれるし、定期購買にするとディスカウントも貰える。
アマゾンはITテクノロジー企業だということを肝に銘じておかねばならない、かのCIA も AWS(アマゾンウェブサービス)を使用しているくらいなのだから。
したがって、アマゾンに失望した事はなかった。
間違った注文も発送前であれば簡単にキャンセルできる、万一届いてからでもチャットで理由を説明すれば返品できる。
当然ネット販売戦国時代なのだから。価格比較の結果他のショッピングサイトを利用することもあるが、まずはアマゾンでチェックというお買い物パターンが出来上がっている。

昨年末 アマゾンからお詫びの連絡が入った、それも一度ならず。
最初のお詫びは、商品が確保できなくなったので「お手数ですがそちらでキャンセルしてください」とのことだった。
既に一週間後の配送日迄通知しておきながらの調達・納品ミスだ。
二度目は「納期が1カ月遅れることになりました、ご了承ください」とのことだった、もともと予約販売アイテムなのにこれまた納期ミスだった。

これほどまでに納品トラブルに見舞われる注文品は「ドジャースのキッズキャップ」だった。
2023年12月10日(日本時間)大谷翔平選手のドジャース入団を聞いた直後すぐにアマゾンに注文したのが最初のキャップ。
12月16日納品の案内があった後上記の通りアマゾンからキャンセル依頼があった。
さればとアマゾンで同等品を捜して見つけたのが12月21日納品予定の予約販売だった、即発注したのは言うまでもない。
ここまでこだわっているのは、小学生の孫が被っているのがメッシュ(夏用)の野球キャップ。
寒くなったので暖かいのに換えてあげるよと約束しながら12月まで我慢していたのは、ご推察のとおり夏用キャップはエンジェルスのものだから。大谷選手が来シーズンはどこのキャップを被るかを待っていたのである。
満を持して注文したドジャースキャップなのに、12月21日納品が1月20日に1カ月延びると言ってきたアマゾン、まさかの二連敗を目の当たりにした。
モンスター企業をもきりきり舞いさせる大谷翔平、こんな場面でもスーパースターを見せつけてくれたのだった。

1月20日に本当にキャップが届くのか、はたまたアマゾンの連敗が続くのか・・・疑心暗鬼でいたところ、またもや2月末に延期になるとの連絡があったのが12月末のこと、アマゾンの三連敗だ。
スリーストライクス、アマゾン アウト。
異常な大谷翔平ブームに起因する不手際だろうと同情する一方、アマゾンの不誠実な対応には大きな不信感を覚えている、今日である。

(エピローグ) 
本エピソードを書き終えた後(2024年1月7日)、どうしても納得できないのでYAHOOショッピングを検索し、類似品だが翌日(1月8日)納品のサイトを発見した! 半信半疑、ダメモトと思って注文したところ8日にすんなり届いた、翌日の9日 ブルーキャップで新学期の学校に向かった孫を眺めて自己満足したものだ。
学校では同じドジャースキャップを着帽した友達が二人いたと聞いた。駅前のショッピングモールで購入したとのことだった。
ネット購入にばかり気を取られ本来の買い物姿を忘れ去っていたと反省したが、お正月休暇中のショッピングモールで高齢者はウロチョロするべきではないという信念もある。
とはいえ、これもアマゾンはじめネットショッピングの功罪なのだろう。
もちろん、
アマゾンへの注文分は速やかにキャンセルした、CS度高い機能的システムで。
  
(注) 写真資料は生成AI に依頼したドジャースキャップを被ったビーグル、愛犬の写真に合成を依頼したが、知らないビ-グルになっていた、まだまだAIは信頼できない。

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