昇天
文字数 444文字
天界へ帰りましょう。」
導光の部屋を包み込んでいた光は、
少しずつ天へ向かって昇っていった。
光の
『マニュエル』。
三羽の鳥のように浄化を果たし、見事に
清められた魂として
は、いつまでも、いつまでも『満』を見つめ
ながら《神々》と共に静かに天へと旅立って
行った。
その時だ。
導光は、一瞬『マニュエル』の魂の中に、
かつて神父であった時の『マニュエル』の姿
を視た。
人を柔らかく包み込むような表情。
ただそこにいるだけで、安らぐような
存在感。
(《神》だ。。。)
導光はそう思った。
「『マニュエル』。 君こそが《神》。
私は君を忘れない。 絶対に。。。
君との出会いを、私は一生大切にする。
今度こそ、君は本当に幸せになれる。
そして、人を幸せにできる。
『マニュエル』。。。
ありがとう。。。」
導光は『マニュエル』にそう言いながら、
手を振った。
『輝羽』と『満』も、天へと昇って行く
彼らにいつまでも手を振っていた。
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