懐かしき故郷
文字数 486文字
気づいたら自分の生まれた家に来ていた。
かつての自分の家。
(もう誰も住んでいない。
いや違う。
住んでいないんじゃない。
誰もいなくなってしまったんだ。
私が。。。この私が。。。
みんなを殺したんだ。)
その時。。。
泣き
いや、『マニュエル』に、後ろから心配そう
に声をかけてきた人物がいた。
『アレン』だった。
「どうかしたんですか?」
答えない『マニュエル』を見て、
「もしかして、
『マニュエル』じゃないのか?」
『アレン』は彼を覚えていた。
「資産家の養子になったと聞いたけど。
君の家族はもうここにはいない。
引っ越したんだ。
知らなかったのか?」
「。。。。。。。。」
「今は町に住んでいるそうだ。
仕事で成功して、資産家になったという
「。。。。。。。。。。」
「とにかく家に来ないか?
たいしたものはごちそうできないけど。」
自分の話にまったく答えず、ただ泣きじゃく
るだけの『マニュエル』を見て、『アレン』
は何かを悟ったようだった。
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