叔母の遺言(四)
文字数 461文字
中にいました。
何も見えない。
誰もいない。
叫んでも誰も答えてくれない。
どれだけ時が経ったのか。
自分でもわからないほどしばらく
きたのです。
「『ニーナ』。
心優しく澄んだ魂を持つ者。
したこと。
その罪により、これから五百年、汝は苦し
むこととなる。
命とは
その尊き命を自ら絶つことなど、けっして許
されることではない。
だが、五百年ののち、汝の罪は
叶えることのできなかった願いは、必ずや
叶えられるであろう。」
それは、《神》の声でした。
私は、自分が犯してしまった罪をひたすら
もし命を絶たなければ、来世で『アレン』
と結ばれ、幸せになれたのですから。
そして四百年以上が経ち。。。
あと五十年。
あと五十年、
今度こそ『アレン』と再びめぐり
結ばれるというある日。
あの時の《神》の声が、再び私の耳に響い
てきたのです。
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