スパイとして養成された男
文字数 459文字
グループのリーダー。
この国の言葉に精通していた。
なぜか。
それは、元はこの国で生まれたこの国の
国民だったからである。
して養成された男。
「お前たちに祖国などない。
お前たちは国に売られたんだ。
お前たちを捨てた祖国に
行き場のないお前たちを救ったのは、
この国の国王。
国王に忠誠を誓え。
これからは、この国のために一生を
んだ。」
来る日も来る日もそう言われ続けて育って
きた。
まるで
食事だけ。
貧しかった頃にはとても食べられなかった
ごちそうばかりがテーブルに用意された。
煮込んだ肉や魚。
果物や木の実の入ったケーキ。
まさに
始めの頃は、家族や生まれ故郷への
いが断ち切れなかった仲間たち。
だが、次第にその思いは祖国に対する憎悪
に変わっていったのである。
そして、
≪この国のため、この国の国王のため≫
をスローガンに、人を殺すことさえ
いとわなくなっていった。
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