『サタン』、その真の姿
文字数 812文字
≪ツマジロエダシャク≫という名の[
今にも天使が飛び立ちそうな優美な姿。
ところが。。。
それは、あくまでも仮の姿なのである。
この[
『デスティニイ』が五百年もの間、追い続け
てきた、あの憎き『サタン』なのである。
『サタン』は、天使にも似たこの[
変え、多くの≪モルフォ蝶≫の大群を従え、
ここまでやって来たのであった。
一見、天使のようにも見える
≪ツマジロエダシャク≫。
羽根を広げると、まるで天使がその翼を
大きく広げ、羽ばたいているかのような
優雅なシルエットで人々を魅了する。
それが、[
あまりにも高貴な姿。
だがその本性は、
れ、《神》に反逆し、罰せられ、ついには
天界から追放された
さらに。。。
その
さらに
ってしまった。
≪ツマジロエダシャク≫に
『サタン』は、空に舞い上がると、羽ばたき
ながらゆっくり回転した。
そして、
大声で高笑いをしながらその真の姿を見せ
始めたのである。
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。。。」
足元から徐々に現れる不気味な肉体。
二本の黒い足は、まるで[
今にも人を襲いかねない鋭い三本の爪が、
その足に生えている。
風に揺れる
隠れするその体は、どす黒い毛で
両手は[蛇]のように長く、一体どこまでが
腕で、どこまでが手指なのかわからない。
顔はあまりにも恐ろしく、まさに[鬼]
そのもの。
釣り上がり、今にも飛び出しそうな
ギョロっとした目でにらみつけられると
ゾッとして、悪寒が全身を走り抜ける。
鼻はねじ曲がり、横に裂けた口は
頭には二本の鋭い
そう。
[
どのような顔か想像がつくであろう。
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