弟よ
文字数 384文字
たくましく、そして
一日たりとも
忘れたことがなかった弟。
会いたかった弟。
「『マニュエル』。。。」
『イヴァン』は、『隊長』にそう声を
かけた。
何度も見た弟の夢。
涙を流しながら叫ぶ弟。
その弟の叫びが。。。
今やっとわかったのである。
「許せない。
絶対に許さない。
お前たちは、血を分けた大切な家族を
悪魔に売った。
地獄に突き落とした。
殺してやる。。。」
『イヴァン』には薄々わかっていたのだ。
弟が敵国に売られたのではないかという
ことが。
一家の幸せが、弟の犠牲の上に
成り立っているのだということが。
そしてその不安は、
今、この瞬間に確信に変わったのである。
まるで光と
兄は光に包まれ、弟は
生きてきた。
今までの幸せは本当の幸せではない。
弟に何と
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