『ローマ』の嘆き
文字数 769文字
かつての『満』の伯母さんでもある
『野原 美咲』ちゃんとの再会を
した『輝羽』は、それを自分のことのように
喜んだ。
無事にオリエンテーションを終えると、
『輝羽』は『満』と別れ、上機嫌で帰宅した
のだった。
『満』は、オリエンテーションが終わる
まで、ずっと『満』を待っていた『美咲』
ちゃんと早くもデートのようである。
『輝羽』は、このことを、早速父の導光に
知らせようと導光を探した。
導光は、祈祷の部屋にいるようであった。
「お父さん。 部屋に入ってもいい?」
「ああ。『輝羽』か。。。
ちょうど今、祈祷が終わったところだ。」
「さっきね。
大学で『ローマ』に逢ったのよ。」
「『ローマ』に?
天界に戻ったんじゃなかったのか?」
「ううん。いろいろ事情があって。。。
まずは順番に報告するね。」
「ああ。」
「『ローマ』に聞いたんだけど、『マリア』
と『ローマ』は
いらっしゃる『天花』さまが決めた
だったんですって。
『マリア』は、最初は『ローマ』と結婚
するって言ってたのに。
『アレン』と出会ってから彼に夢中になって
しまい。。。
『アレン』が『ニーナ』と結ばれるまでの
五百年も待たされる羽目になってしまった
らしいのよ。」
「そうだったのか。
いや、『満』君を視る『ローマ』のあの目は
どう視ても
導光は、『輝羽』の話を聞いて納得した
ようだった。
「『マリア』も『マリア』よ。
あんなに『ローマ』を待たせたあげく、
わざと『満』君にまとわりついて『ローマ』
に焼きもちを焼かせるんだもん。」
「まあ。。。何というか。。。
男と女というものは、たとえ《神》で
あろうと、永久に完全には理解し合えない
のかもしれないね。」
(ログインが必要です)