宿敵、『サタン』を追い詰める
文字数 560文字
しばらく無言だった『デスティニイ』が
突然叫んだ。
「『サタン』めっ。
とうとう姿を現しおったな。」
この瞬間。
今まで穏やかで柔らかい口調だった
『デスティニイ』の声は急に低くなり、
今にも燃えるような怒りが込み上げてくるか
の
あった。
「導光とやら。
手を貸してほしい。」
『デスティニイ』はそう言うと、庭へ続く
縁側から外へ出て行った。
「わかりました。」
導光も『デスティニイ』の後に続いた。
『デスティニイ』は、導光の家の上空へ
舞い上がり、家の真上からじっと蝶の大群を
見つめると、
「そこだっ。」
そう叫びながら、すらりと長く伸びた
右手の人差し指で屋根を
すると、その長い指先からは、鋭い
【
大群に一撃を加えたのである。
≪モルフォ蝶≫
世界で最も美しいと言われている青い蝶。
その光沢のある
は、まるで鮮やかな
ゆらゆらと揺れているようだ。
【天光の矢】が刺さった場所の周囲から、
は、まるで一枚、また一枚とその重なりを
はがしていくように左右に飛び散り、次第に
その中心から、ある物体の姿が
きたのであった。
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