灰色の疑惑(2)
文字数 1,115文字
「でも、隊長はどうして、ウミウシ1号って限定して説明したのですか?」
アルトロが僕の声を使って、さり気なく質問をする。
「うむ、鈴木にしては良く気が付いた」
どう言う意味だよ!
「実はウミウシ2号は、ガソリン車なのだ。その上、宇宙空間どころか水中行動すら出来ない、ただのマイクロバスだ」
「なんだそりゃ? そいつに何の意味があるんだ?」
港町隊員の疑問は尤もだ。この恥ずかしいデザインのただの車が、なんで必要なんだ?
「うむ、ウミウシ2号には、その代わり、調理台、冷蔵庫、オーブントースターなどが装備され、キッチンカーとしての機能が搭載されているのだ。アブニュ・デ・ゴブランのパンも、明日から納品され、既に冷蔵庫には、高座豚精肉店の特注ソーセージや、ケチャップやマスタードも入っている」
「え?」
「明日から、いつでも開業可能だ。なお責任者は一応、調理師免許を持っている私と言うことになっている」
「あの~隊長、開業って???」
「勿論、ホットドッグ屋だ。ウミウシ2号の中には、折り畳み式の簡易ベンチなども装備されており、非公式だが、車外で客席とすることも出来る」
「隊長、そのホットドッグ屋って、一体何の為に必要なのですか?」
東門隊員の疑問……。当然、僕もそれは訊きたい。
「うむ、これも良い質問だ! ウミウシ1号が突然世間をパトロールし出したら、皆、何の車だろうと疑問を持つに違いない。極秘機関である異星人警備隊としては、これはあまり好ましいことではない!」
まぁ、そうだろうが……。
「そこで、逆転の発想、敢えてウミウシを目立つデザインとし、ウミウシ2号でホットドッグ屋を営業しながら世間を巡回することにしたのだ。そうすれば、何かと疑問を持った人たちも、ウミウシ2号を見て、ウミウシを単なるホットドッグ屋のキッチンカーだと思うだろう。そうすれば、いざと言う時、ウミウシ1号が公道を走っていたとしても、誰もウミウシに疑問を感じはしないのだ!」
う~ん。筋が通っている様な、何か馬鹿げている様な……。
「と言う訳で、明日から昼飯時にローテーションでパトロールに出て貰う。鈴木隊員とストラーダ隊員は土日限定、交代で午後一杯の勤務だ。勿論、パトロール時の制服であるエプロンも警備隊本部が支給する」
何か良く分からないが、平日は港町隊員、東門隊員が交代で都心のオフィス街の昼休みに営業し、土日は僕とストラーダ隊員が公園や河川敷などで、午後一杯、バイトをすると言うことらしい。
「これなら、チョウでも十分役に立つんじゃねえか?」
港町隊員から、こんな嫌味を言われた。でも、確かに普通の高校生の僕としては、こっちの方が、違和感の無いバイトであることは間違いない。
アルトロが僕の声を使って、さり気なく質問をする。
「うむ、鈴木にしては良く気が付いた」
どう言う意味だよ!
「実はウミウシ2号は、ガソリン車なのだ。その上、宇宙空間どころか水中行動すら出来ない、ただのマイクロバスだ」
「なんだそりゃ? そいつに何の意味があるんだ?」
港町隊員の疑問は尤もだ。この恥ずかしいデザインのただの車が、なんで必要なんだ?
「うむ、ウミウシ2号には、その代わり、調理台、冷蔵庫、オーブントースターなどが装備され、キッチンカーとしての機能が搭載されているのだ。アブニュ・デ・ゴブランのパンも、明日から納品され、既に冷蔵庫には、高座豚精肉店の特注ソーセージや、ケチャップやマスタードも入っている」
「え?」
「明日から、いつでも開業可能だ。なお責任者は一応、調理師免許を持っている私と言うことになっている」
「あの~隊長、開業って???」
「勿論、ホットドッグ屋だ。ウミウシ2号の中には、折り畳み式の簡易ベンチなども装備されており、非公式だが、車外で客席とすることも出来る」
「隊長、そのホットドッグ屋って、一体何の為に必要なのですか?」
東門隊員の疑問……。当然、僕もそれは訊きたい。
「うむ、これも良い質問だ! ウミウシ1号が突然世間をパトロールし出したら、皆、何の車だろうと疑問を持つに違いない。極秘機関である異星人警備隊としては、これはあまり好ましいことではない!」
まぁ、そうだろうが……。
「そこで、逆転の発想、敢えてウミウシを目立つデザインとし、ウミウシ2号でホットドッグ屋を営業しながら世間を巡回することにしたのだ。そうすれば、何かと疑問を持った人たちも、ウミウシ2号を見て、ウミウシを単なるホットドッグ屋のキッチンカーだと思うだろう。そうすれば、いざと言う時、ウミウシ1号が公道を走っていたとしても、誰もウミウシに疑問を感じはしないのだ!」
う~ん。筋が通っている様な、何か馬鹿げている様な……。
「と言う訳で、明日から昼飯時にローテーションでパトロールに出て貰う。鈴木隊員とストラーダ隊員は土日限定、交代で午後一杯の勤務だ。勿論、パトロール時の制服であるエプロンも警備隊本部が支給する」
何か良く分からないが、平日は港町隊員、東門隊員が交代で都心のオフィス街の昼休みに営業し、土日は僕とストラーダ隊員が公園や河川敷などで、午後一杯、バイトをすると言うことらしい。
「これなら、チョウでも十分役に立つんじゃねえか?」
港町隊員から、こんな嫌味を言われた。でも、確かに普通の高校生の僕としては、こっちの方が、違和感の無いバイトであることは間違いない。