イタリアから来た少女(1)
文字数 926文字
今回の監視行動は、僕のせいで異星人に逃げられてしまった。それで僕は今、川崎隊長にデスク前に呼び出され叱責を受けている。
「全く……、あの状況で何か物音を立てれば、誰だって気付くだろう。何故、その程度の事が分からんのだ!」
川崎隊長がそう言ってデスクを拳で叩く。
だが、そうは言っても、僕はターゲットの住むアパートの外、百メートルは離れた場所で反対側にいた東門 隊員にSMで話しをしただけだ。確かにその中に「異星人警備隊」と言う単語が入っていたかも知れないが、そのタップ音で相手に気付かれるなんて、誰が想像できると言うのだ。
「君は注意力が不足している。その様なことでは君自身だけでなく、隊員全員の命まで危険に晒すことになる。君は当分の間、作戦行動に参加させない。分かったな!」
「はい……」
反論しても仕方ない。僕は黙って引き下がった。しかし、正直、隊長は要求が高すぎる。
「ま、気にするな。お前が居なくても大して変わりはしないさ」
港町隊員が、項垂れて引き下がる僕の肩を叩き、慰めの様なものを言った。僕を馬鹿にしているのかも知れないが、事実なので怒る気にもなれない。
取り敢えず、今日のところは帰宅しよう。どうせ今日は作戦行動など無いし、あっても参加させて貰えないのだから。
作戦室を出ると、廊下の壁に寄り掛かって小島さんが腕を組んで待っていた。川崎隊長に続いて、小島参謀からも怒られるのか? 正直、うんざりする。
「鈴木君、随分お説教を食ったみたいね」
「ええ。正直、説教はもう沢山です」
「まあ我慢するのね。隊長は君が普通の人間だって知らないのだから」
「僕は特殊能力申請欄に『なし』と記載した心算ですけどね!」
「あ、あれ? あれは私が適当に書き換えといてあげたわ。『なし』じゃ、みっともないでしょう?」
な、なんてことだ! 僕は特殊能力を持った異星人と言うことになっているのか?
「な、何を書いたんですか?」
小島さんは口を尖ららせ、天井を見ながら思い出そうとしている。直ぐに思い出せない程、適当なことを書いたんだな!!
「ま、いいじゃない!」
小島さんはそう言って笑うと、彼女の参謀室に来いと手で合図し、僕の返事も待たず廊下を歩きだしていた。彼女はいつもこうだ。
「全く……、あの状況で何か物音を立てれば、誰だって気付くだろう。何故、その程度の事が分からんのだ!」
川崎隊長がそう言ってデスクを拳で叩く。
だが、そうは言っても、僕はターゲットの住むアパートの外、百メートルは離れた場所で反対側にいた
「君は注意力が不足している。その様なことでは君自身だけでなく、隊員全員の命まで危険に晒すことになる。君は当分の間、作戦行動に参加させない。分かったな!」
「はい……」
反論しても仕方ない。僕は黙って引き下がった。しかし、正直、隊長は要求が高すぎる。
「ま、気にするな。お前が居なくても大して変わりはしないさ」
港町隊員が、項垂れて引き下がる僕の肩を叩き、慰めの様なものを言った。僕を馬鹿にしているのかも知れないが、事実なので怒る気にもなれない。
取り敢えず、今日のところは帰宅しよう。どうせ今日は作戦行動など無いし、あっても参加させて貰えないのだから。
作戦室を出ると、廊下の壁に寄り掛かって小島さんが腕を組んで待っていた。川崎隊長に続いて、小島参謀からも怒られるのか? 正直、うんざりする。
「鈴木君、随分お説教を食ったみたいね」
「ええ。正直、説教はもう沢山です」
「まあ我慢するのね。隊長は君が普通の人間だって知らないのだから」
「僕は特殊能力申請欄に『なし』と記載した心算ですけどね!」
「あ、あれ? あれは私が適当に書き換えといてあげたわ。『なし』じゃ、みっともないでしょう?」
な、なんてことだ! 僕は特殊能力を持った異星人と言うことになっているのか?
「な、何を書いたんですか?」
小島さんは口を尖ららせ、天井を見ながら思い出そうとしている。直ぐに思い出せない程、適当なことを書いたんだな!!
「ま、いいじゃない!」
小島さんはそう言って笑うと、彼女の参謀室に来いと手で合図し、僕の返事も待たず廊下を歩きだしていた。彼女はいつもこうだ。