イタリアから来た少女(6)
文字数 1,200文字
ストラーダさんは自分の携帯を取り出して、何やらそのまま、携帯に音声で指示を与えた。
「SPA-1、Riavvia!」
スパウノ? リアビーバ??
何の暗号なのだろう?
だが、その意味については僕にも直ぐに分かった。僕たちの目の前に、ご当地ヒーローみたいな、派手な衣装を身に着けた人間が突如現れたのだ。
しかし、何者なのだろう? 瞬間移動してくるなんて。相当能力の高い宇宙人には違いないと思うのだが……。
ヒーローは僕たちの前方にいる敵に向かって走っていった。で、でも、後ろの敵はどうすんだ?
「さぁ僕たちも闘おうか? チョウ!」
僕の心の中でアルトロが話す。でも、今まで、どこに行っていたんだよ~!
僕は薄ら笑いを浮かべる怪しい男たちに向かって殴り掛かって行った。
よっぽど馬鹿にされているのか、彼らは僕の右パンチにガードすらしようとはしない。
僕のパンチで彼らの薄ら笑いが消えたのは正直留飲が下がった。一人がまさにもんどり打って二メートルは吹き飛んだのだ。
だが、それに因って、彼らも僕と真面目に格闘すると言う気にさせてしまった様だ。
僕の前後左右に四、五人が群がる。僕は前の敵を殴ったら、後ろの敵を迎え撃ち、左の敵の蹴りを防いだら、右の敵の隙を伺うという戦いを続けた。その間に背中を何度も蹴られ、振り向きざまに幾度も殴られる。
避けた敵の蹴りで、道路脇のビルの壁が砕けたのを見て、僕はゾッとした。どうやら、アルトロの能力で、僕は相当強化されていた様だ。だが、それでも殴られれば充分に痛い!
本当、僕はレスリング部でも、ボクシング部でも、格闘系のクラブに入っておけば良かったと心底思う。でも、今はこれで闘うしかない!
「キャー!!」
ストラーダさんの悲鳴が聞こえる。あのヒーローは倒されてしまったのか?
僕がストラーダさんの方を見ると、既に彼は向うに転がされていて、ストラーダさんに敵の一団が襲い掛かろうとしている。
僕の身体は、僕が「ストラーダさんを助けなけりゃ」と思う前に行動を開始していた。
全力疾走で走り、ストラーダさんに一番近い敵目掛け、飛び蹴りを食らわせていたのだ。そして、ストラーダさんを素早く背中で庇って、敵の一団との間に身を置く。
当然、これはアルトロがやったことだ。常人の数倍の速度で疾走し、何メートルも跳んで相手を蹴りとばしている。こんなの僕にはとても出来っこない。
しかし、それでは相手を倒したことにはならず、蹴られた敵もゆっくりと起き上がり、敵の一団は、僕たち二人を壁へと追い詰め、半円を描く様に囲んでいった。
「あのヒーローはどうなったんですか?」
「SPA-1は最強の超異星人なのですがぁ、相手の攻撃を受けて、AIがハングしちゃいました~。多分電撃だと思うけどぉ、止まっちゃったので~す」
「え、ええ!!」
「あなた、異星人でしょ~? 何とかしてくださ~い!」
そんな無茶苦茶な!
「SPA-1、Riavvia!」
スパウノ? リアビーバ??
何の暗号なのだろう?
だが、その意味については僕にも直ぐに分かった。僕たちの目の前に、ご当地ヒーローみたいな、派手な衣装を身に着けた人間が突如現れたのだ。
しかし、何者なのだろう? 瞬間移動してくるなんて。相当能力の高い宇宙人には違いないと思うのだが……。
ヒーローは僕たちの前方にいる敵に向かって走っていった。で、でも、後ろの敵はどうすんだ?
「さぁ僕たちも闘おうか? チョウ!」
僕の心の中でアルトロが話す。でも、今まで、どこに行っていたんだよ~!
僕は薄ら笑いを浮かべる怪しい男たちに向かって殴り掛かって行った。
よっぽど馬鹿にされているのか、彼らは僕の右パンチにガードすらしようとはしない。
僕のパンチで彼らの薄ら笑いが消えたのは正直留飲が下がった。一人がまさにもんどり打って二メートルは吹き飛んだのだ。
だが、それに因って、彼らも僕と真面目に格闘すると言う気にさせてしまった様だ。
僕の前後左右に四、五人が群がる。僕は前の敵を殴ったら、後ろの敵を迎え撃ち、左の敵の蹴りを防いだら、右の敵の隙を伺うという戦いを続けた。その間に背中を何度も蹴られ、振り向きざまに幾度も殴られる。
避けた敵の蹴りで、道路脇のビルの壁が砕けたのを見て、僕はゾッとした。どうやら、アルトロの能力で、僕は相当強化されていた様だ。だが、それでも殴られれば充分に痛い!
本当、僕はレスリング部でも、ボクシング部でも、格闘系のクラブに入っておけば良かったと心底思う。でも、今はこれで闘うしかない!
「キャー!!」
ストラーダさんの悲鳴が聞こえる。あのヒーローは倒されてしまったのか?
僕がストラーダさんの方を見ると、既に彼は向うに転がされていて、ストラーダさんに敵の一団が襲い掛かろうとしている。
僕の身体は、僕が「ストラーダさんを助けなけりゃ」と思う前に行動を開始していた。
全力疾走で走り、ストラーダさんに一番近い敵目掛け、飛び蹴りを食らわせていたのだ。そして、ストラーダさんを素早く背中で庇って、敵の一団との間に身を置く。
当然、これはアルトロがやったことだ。常人の数倍の速度で疾走し、何メートルも跳んで相手を蹴りとばしている。こんなの僕にはとても出来っこない。
しかし、それでは相手を倒したことにはならず、蹴られた敵もゆっくりと起き上がり、敵の一団は、僕たち二人を壁へと追い詰め、半円を描く様に囲んでいった。
「あのヒーローはどうなったんですか?」
「SPA-1は最強の超異星人なのですがぁ、相手の攻撃を受けて、AIがハングしちゃいました~。多分電撃だと思うけどぉ、止まっちゃったので~す」
「え、ええ!!」
「あなた、異星人でしょ~? 何とかしてくださ~い!」
そんな無茶苦茶な!