異星人警備隊(3)
文字数 1,039文字
僕が案内された部屋には、既に先着が三名いて、入ってきた僕を一斉に睨みつけている。
一人は壁に寄り掛かった、目付きの鋭い痩せぎすの若い男性。奥に立っているのは、女子プロレスラーと見まがうばかりの筋骨逞しい2メートル近い長身の女性。最後の一人は手前に座った少年で、大人しそうな小学生に見える。だが、どうして小学生が就職面接に現れているのだろうか?
「あ、あの始めまして、僕は……」
僕の自己紹介は、目付きの鋭い男性に遮られた。
「面接の前だ。仲間と決まった訳じゃない。それ迄は、お互いに素性は明かさない方が良いだろう?」
それに少年が口を挟む。
「いいんじゃない? 彼が自分の情報を漏らそうとしたって。僕らがそれに応えて、自分の情報を話す義務は全くないのだから」
女性は何も言わず腕を組んでいる。
僕はどうやら、とんでもない場所に来てしまった様だ。
もう、時間ギリギリだったらしく、僕が入って左程時間が経たないうちに、先程僕をこの部屋に案内してくれた女性が、面接の開始を告げにやって来た。
「皆様、お待たせしました。会場にご案内致します。私の後についていらしてください。尚、ご注意しますけど、くれぐれも勝手な行動は為されない様にして下さいね。場所に依っては、テロリストとして射殺されることもありますから……」
僕たちは彼女の後について、オフィスビルの無機質な廊下を左右歩かされ、階段を上下し、一つの部屋のドアの中に入って行った。だが、そこも目的地ではなく、そこにあったのはエレベータ。どうやらこれで、階を移動しようということらしい。
だが、僕の予想は半分しか当たらなかった。エレベータは上下移動するだけでなく、下降してから水平方向に前後左右に移動していった。この階はエレベータが自由に平面移動できる仕組みになっているようだ。
そのエレベータの扉が開くと、そこは巨大な造船所の様な工場になっていた。しかし、どこをどう移動すると、10階くらい吹き抜けになっている工場に出てくるのだ? 駅前のオフィスビルの中で。
「どうぞ、こちらです」
暫く工場内を移動したあと、扉を開き、再びオフィスビルの様な廊下を進んで、僕たちは特別室の様な扉の前にやってきた。
そこで女性は、虹彩認証と暗号認証のロックを解除し、自動ドアを開いて僕たちを部屋の中へと誘った。
するとそこには、自衛官の将校の様な服装の軍人が一人、僕たちを待っていたのだ。
「あなた方の上司となる川崎隊長です」
女性は僕たちに、彼をそう紹介した。
一人は壁に寄り掛かった、目付きの鋭い痩せぎすの若い男性。奥に立っているのは、女子プロレスラーと見まがうばかりの筋骨逞しい2メートル近い長身の女性。最後の一人は手前に座った少年で、大人しそうな小学生に見える。だが、どうして小学生が就職面接に現れているのだろうか?
「あ、あの始めまして、僕は……」
僕の自己紹介は、目付きの鋭い男性に遮られた。
「面接の前だ。仲間と決まった訳じゃない。それ迄は、お互いに素性は明かさない方が良いだろう?」
それに少年が口を挟む。
「いいんじゃない? 彼が自分の情報を漏らそうとしたって。僕らがそれに応えて、自分の情報を話す義務は全くないのだから」
女性は何も言わず腕を組んでいる。
僕はどうやら、とんでもない場所に来てしまった様だ。
もう、時間ギリギリだったらしく、僕が入って左程時間が経たないうちに、先程僕をこの部屋に案内してくれた女性が、面接の開始を告げにやって来た。
「皆様、お待たせしました。会場にご案内致します。私の後についていらしてください。尚、ご注意しますけど、くれぐれも勝手な行動は為されない様にして下さいね。場所に依っては、テロリストとして射殺されることもありますから……」
僕たちは彼女の後について、オフィスビルの無機質な廊下を左右歩かされ、階段を上下し、一つの部屋のドアの中に入って行った。だが、そこも目的地ではなく、そこにあったのはエレベータ。どうやらこれで、階を移動しようということらしい。
だが、僕の予想は半分しか当たらなかった。エレベータは上下移動するだけでなく、下降してから水平方向に前後左右に移動していった。この階はエレベータが自由に平面移動できる仕組みになっているようだ。
そのエレベータの扉が開くと、そこは巨大な造船所の様な工場になっていた。しかし、どこをどう移動すると、10階くらい吹き抜けになっている工場に出てくるのだ? 駅前のオフィスビルの中で。
「どうぞ、こちらです」
暫く工場内を移動したあと、扉を開き、再びオフィスビルの様な廊下を進んで、僕たちは特別室の様な扉の前にやってきた。
そこで女性は、虹彩認証と暗号認証のロックを解除し、自動ドアを開いて僕たちを部屋の中へと誘った。
するとそこには、自衛官の将校の様な服装の軍人が一人、僕たちを待っていたのだ。
「あなた方の上司となる川崎隊長です」
女性は僕たちに、彼をそう紹介した。