小島参謀の秘密(1)
文字数 1,475文字
僕は作戦室への入室を再び許可された。あの事件の功績が評価されたとのことである。
確かに、最後は小島参謀の手を煩わせて助け出されるという結果に終わったのだが、その原因は川崎隊長から情報の不足にあったことだし、民間人一名(つまり天空橋さんだ)を助けたと言うのが評価された点らしかった。
そうは言っても、実質的に警備隊のおまけ扱いと言うことに替わりはない。
それでも、メンバーの姓名と申請能力内容が分かったのは有難かった。
川崎隊長、本名は川崎慶究 。武闘派で、高い運動能力と俊敏性を誇る。アルトロの力を借りた僕と同じタイプの異星人能力だ。
港町隊員、本名は港町三番地 。残った痕跡や人物を見て、過去にあった情景を見ることが出来るらしい。そして、その思考は異星人警備隊のメインコンピュータ脳波解析装置に繋ぐことで映像化できるそうだ。
この能力はテロリストが犯罪を否認、黙秘した場合に、事も真偽を確認することが出来るというメリットがある。だが、訴訟時の証拠としてはまだ認められていないらしい。
東門隊員、本名は東門魔依 。彼女はその本名を嫌って、萌 と呼べと言っている。宇宙本草学の権威で、検出した植物の種子、花粉などから異星人の出身地などを特定することが出来る。
彼女は見た目、二メートルにもなる巨漢の逞しい女性なので、僕は「あれ? 怪力が能力じゃ無いんですか?」と訊ねたら、「セクハラ」だとか「人を見た目で判断するなんて最低だ」とか散々に文句を言われてしまった。
大師隊員、本名は川崎大師 。川崎隊長と親子だ言うので、見た目小学生の彼の方を隊長の子供かと思ったが、彼の方が父親だと言うことである。なんと、彼らの種族は段々に若返りながら成長するらしい。
能力は隊長と同じ。但し、老齢なので実務は行わず、広い見識からオブザーバーとして警備隊に参画しているとのことだ。
ストラーダ隊員、彼女については省略。特に改めて説明を受けなかったし。
そして僕の番……。
ストラーダ隊員が、僕に持っている異星人能力の説明を要求する。
今更、僕が何の異星人能力もない普通の人間だと言っても、ストラーダ隊員には信用して貰えないだろう。だから、アルトロの力を借りた時の自分の能力を僕は申告しようと考えていた。
だが……。
「チョウ君も、正直に能力を申告して貰いたいで~す」
彼女はそう言いながら、僕の両手に手錠の様なものを取りつけた。
「何ですか? これは」
「わたくしの造った、嘘発見器で~す。チョウ君、これ付けて川崎隊長の質問に、全て『はい』と答えて貰いま~す」
成程、これで僕の能力を確かめる訳か……。いいですよ。質問して来てください。
「君の特殊能力は申告した通り……」
さて、小島参謀は一体どんな風に僕の特殊能力を申告したのだろうか?
「宇宙新当流の使い手で、惑星ですら真っ二つにすることが出来て……」
な、何?!
「宇宙忍術の名人で、呪文を唱えれば世界を一瞬で絶対零度に凍り付かせたり、ブラックホールを造りだし、物質をエネルギーに転換し、燃やし尽くすことも出来……」
え、えええ?!
「高速で地を走り、空も飛び、海中でも息継ぎすることなく自由に泳げて……」
はぁ~~。
「さらには未来を予知し変えることや、時間位相も可能」
ふはぁ~~~~。
「物凄い光線砲をぶっ放すことが出来る。これで間違い無いね?」
こ、これを僕に「はい」と答えろと言うのか? な訳ないだろ!
「はぁ~、はいと言えばいいんですよね、はいと言えば……。はい……」
当然の様に嘘発見器のブザーが鳴り、僕の答えは嘘だと判断される。
確かに、最後は小島参謀の手を煩わせて助け出されるという結果に終わったのだが、その原因は川崎隊長から情報の不足にあったことだし、民間人一名(つまり天空橋さんだ)を助けたと言うのが評価された点らしかった。
そうは言っても、実質的に警備隊のおまけ扱いと言うことに替わりはない。
それでも、メンバーの姓名と申請能力内容が分かったのは有難かった。
川崎隊長、本名は川崎
港町隊員、本名は港町
この能力はテロリストが犯罪を否認、黙秘した場合に、事も真偽を確認することが出来るというメリットがある。だが、訴訟時の証拠としてはまだ認められていないらしい。
東門隊員、本名は東門
彼女は見た目、二メートルにもなる巨漢の逞しい女性なので、僕は「あれ? 怪力が能力じゃ無いんですか?」と訊ねたら、「セクハラ」だとか「人を見た目で判断するなんて最低だ」とか散々に文句を言われてしまった。
大師隊員、本名は川崎
能力は隊長と同じ。但し、老齢なので実務は行わず、広い見識からオブザーバーとして警備隊に参画しているとのことだ。
ストラーダ隊員、彼女については省略。特に改めて説明を受けなかったし。
そして僕の番……。
ストラーダ隊員が、僕に持っている異星人能力の説明を要求する。
今更、僕が何の異星人能力もない普通の人間だと言っても、ストラーダ隊員には信用して貰えないだろう。だから、アルトロの力を借りた時の自分の能力を僕は申告しようと考えていた。
だが……。
「チョウ君も、正直に能力を申告して貰いたいで~す」
彼女はそう言いながら、僕の両手に手錠の様なものを取りつけた。
「何ですか? これは」
「わたくしの造った、嘘発見器で~す。チョウ君、これ付けて川崎隊長の質問に、全て『はい』と答えて貰いま~す」
成程、これで僕の能力を確かめる訳か……。いいですよ。質問して来てください。
「君の特殊能力は申告した通り……」
さて、小島参謀は一体どんな風に僕の特殊能力を申告したのだろうか?
「宇宙新当流の使い手で、惑星ですら真っ二つにすることが出来て……」
な、何?!
「宇宙忍術の名人で、呪文を唱えれば世界を一瞬で絶対零度に凍り付かせたり、ブラックホールを造りだし、物質をエネルギーに転換し、燃やし尽くすことも出来……」
え、えええ?!
「高速で地を走り、空も飛び、海中でも息継ぎすることなく自由に泳げて……」
はぁ~~。
「さらには未来を予知し変えることや、時間位相も可能」
ふはぁ~~~~。
「物凄い光線砲をぶっ放すことが出来る。これで間違い無いね?」
こ、これを僕に「はい」と答えろと言うのか? な訳ないだろ!
「はぁ~、はいと言えばいいんですよね、はいと言えば……。はい……」
当然の様に嘘発見器のブザーが鳴り、僕の答えは嘘だと判断される。