不協和音(6)
文字数 1,224文字
サイボーグ戦士との闘いの翌日……。
それは、これから東京湾未来線の本線に乗って家に帰ろうかと『東京シティパーク』のトイレから出て、コインロッカー室の脇を僕が通ろうとした時だった。
その日の僕は、事件の後始末の為、何日ぶりかに異星人警備隊本部の会議に出席させられていたのだ。まぁ、学校では授業と補習の日々が続いていたので、「警備隊の仕事も気分転換には悪くない」なんて僕は思っていたのだが……。
僕はそこで、チラと大師隊員がロッカーの陰へと入って行くのを見かけた。
特にどうと思った訳でも無い。何となく、大師隊員がコインロッカーを使うと言うのが不思議だったので、軽い気持ちでちょっと覗こう思っただけだ。
コインロッカー室に入ってみると、声が聞こえる。彼は電話か何かで話しをしている様だった。
それにしても、不思議だったのは、その言語が日本語ではなかったことだ。それは、英語などの外国語でもない感じだったので、僕はそれを彼の星の言葉だと理解した。
確かに、このコインロッカー室とトイレは、専用線の連絡通路の途中にあり、一般人が通ることはあり得ない。だから、彼の星の言葉で会話するのなら、打ってつけの場所なのかも知れないのだが、電話で宇宙語を話すと言うのは、そもそも僕はどうかと思う。
そこで僕はちょっと悪戯心を出し、携帯のアプリを起動させ、大師隊員に見つからない様に、彼の会話の音声を録音し始めた。ここからだと、声が小さくて彼の話しが聴き取れないし、彼の星の言葉は僕に理解できないけど、感度を上げて録音しておけば、異星人警備隊のコンピューターの音声認識と翻訳で、彼が何を話していたか僕にも調べられる。それを今度あった時に、「何々って電話してたろう?」って言って、大師隊員を揶揄ってやろうと思ったのだ。
そうなると、ここで盗み聞きしていることがバレると面白くない。僕は彼が連絡を終えると、ロッカー室の奥に潜り、後ろを向いて大師隊員が去るのを上手くやり過ごした。
翌朝、僕はストラーダ隊員にメインコンピューターのアプリの使い方を教わった。流石に僕の悪戯に彼女を付き合わせる訳は行かないと思ったのだ。
結局その為、僕は半日以上コンピュータと格闘する破目となった。携帯アプリから音声データを取り出し、それを翻訳アプリに音声情報として入力、日本語変換し、音声データとして出力、携帯に戻してイヤホンから内容を聴き取る……。
当然、ストラーダ隊員は僕に付き合ってくれる筈もなく、早々に新兵器の設計をしに自室に戻っていた。
でも、僕は今、この作業に彼女を搦めなくて良かったと思っている。この会話内容は、正直、僕には信じ難いものだったのだ。
彼はこんなことを言っていた……。
「今、送ったのが超異星人の画像だ。彼の攻撃力は我々の想像以上で、潜在力 も計り知れない。我々の侵略計画は白紙に戻すべきだ」
大師隊員が侵略者のスパイ?
となると、川崎隊長も仲間のスパイなのだろうか?
それは、これから東京湾未来線の本線に乗って家に帰ろうかと『東京シティパーク』のトイレから出て、コインロッカー室の脇を僕が通ろうとした時だった。
その日の僕は、事件の後始末の為、何日ぶりかに異星人警備隊本部の会議に出席させられていたのだ。まぁ、学校では授業と補習の日々が続いていたので、「警備隊の仕事も気分転換には悪くない」なんて僕は思っていたのだが……。
僕はそこで、チラと大師隊員がロッカーの陰へと入って行くのを見かけた。
特にどうと思った訳でも無い。何となく、大師隊員がコインロッカーを使うと言うのが不思議だったので、軽い気持ちでちょっと覗こう思っただけだ。
コインロッカー室に入ってみると、声が聞こえる。彼は電話か何かで話しをしている様だった。
それにしても、不思議だったのは、その言語が日本語ではなかったことだ。それは、英語などの外国語でもない感じだったので、僕はそれを彼の星の言葉だと理解した。
確かに、このコインロッカー室とトイレは、専用線の連絡通路の途中にあり、一般人が通ることはあり得ない。だから、彼の星の言葉で会話するのなら、打ってつけの場所なのかも知れないのだが、電話で宇宙語を話すと言うのは、そもそも僕はどうかと思う。
そこで僕はちょっと悪戯心を出し、携帯のアプリを起動させ、大師隊員に見つからない様に、彼の会話の音声を録音し始めた。ここからだと、声が小さくて彼の話しが聴き取れないし、彼の星の言葉は僕に理解できないけど、感度を上げて録音しておけば、異星人警備隊のコンピューターの音声認識と翻訳で、彼が何を話していたか僕にも調べられる。それを今度あった時に、「何々って電話してたろう?」って言って、大師隊員を揶揄ってやろうと思ったのだ。
そうなると、ここで盗み聞きしていることがバレると面白くない。僕は彼が連絡を終えると、ロッカー室の奥に潜り、後ろを向いて大師隊員が去るのを上手くやり過ごした。
翌朝、僕はストラーダ隊員にメインコンピューターのアプリの使い方を教わった。流石に僕の悪戯に彼女を付き合わせる訳は行かないと思ったのだ。
結局その為、僕は半日以上コンピュータと格闘する破目となった。携帯アプリから音声データを取り出し、それを翻訳アプリに音声情報として入力、日本語変換し、音声データとして出力、携帯に戻してイヤホンから内容を聴き取る……。
当然、ストラーダ隊員は僕に付き合ってくれる筈もなく、早々に新兵器の設計をしに自室に戻っていた。
でも、僕は今、この作業に彼女を搦めなくて良かったと思っている。この会話内容は、正直、僕には信じ難いものだったのだ。
彼はこんなことを言っていた……。
「今、送ったのが超異星人の画像だ。彼の攻撃力は我々の想像以上で、
大師隊員が侵略者のスパイ?
となると、川崎隊長も仲間のスパイなのだろうか?